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2013年8月31日

フィリップ・ラーム(Phillip Lahm)のプレースタイル

Lahm

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こういう本が出ていますけど、買うのはとりあえず後にしてください。先に僕のラーム分析を読んでください。それからでも遅くはありません。あなたの財布を開けるのは。

世界一のサイドバック、それはダニ・アウベスで異論はないでしょう。でもあれはブラジル人の中でもかなーり上手い方でしてトラップとか神なんですよね。しかも走れる跳べるときてますから、日本人にあれを目指すのは無理でしょう。


そこでフィリップ・ラームです。Phillip Lahmはドイツ代表キャプテン、バイエルン・ミュンヘンキャプテンの頼りがいのある男です。右利きですが左サイドバックも出来るユーティリティさと小柄なのに競り合いに負けない頭脳とメンタル、そしてなによりビルドアップが巧すぎる!!!そこが日本人SBが彼を目標にすべき理由です。

もともとはテクニカルなトップ下と聞いていますが、10代終わり頃に長い距離のダッシュを繰り返せる特異な身体的特徴が発見されたのでしょうね。今ではすっかりサイドバックからゲームを作っています。

そこで今回はラームに見るサイドバックのビルとアップについて解説したいと思います。

ではおしながきをどん!

2013年6月24日

ブスケツはなぜギャップを好むのか

ブスケツはなぜ隙間を好むのか 001
ブスケツターンシリーズも最終回です(予定)。なぜブスケツは敵と敵の間にポジショニングをとることを好むのか、これについてようやく回答が出たので記しておきたいと思います。

きっかけはかなり前にもらったコメントです。気になるコメントはこうやって思い出してまたエントリのネタにしたりするので、面白い意見があったらぜひ聞かせてくださいね。

かなり前に書いた焦点プレーというエントリからです。

”そんな中一つ質問があるのですが、上の記事の一番最初の図で表した例で、2人のDFと均等な位置にポジションを取ると書いてあるのは分かるのですが、この例では、2人のDFの線上にポジションを取っています。ただ、これだとボールを受けたときに敵を引きつけることは出来ますが、その分プレッシャーを受けてしまいます。そこで、図の2人の線上より右側でボールをもらえば、フリーで受けられると思います。簡単に言うと、上の例は2Dポジショニングだと思うのですが・・・”

その時の回答としては時間的制限を挙げたんですが、これは不完全でした。

現在できる回答は3点ありまして、
  • 焦点ポジショニングが与えるプレー選択肢
  • ブスケツターンに秘められたトリック
  • ブスケツターンという技術による自信
なのです


2013年2月12日

エジルが魅せた!!フランス戦でのグティパスと眼球運動

エジルのグティパスと眼球運動



twitterを見てたら、先日のインターナショナルマッチデーのフランス対ドイツ戦でのエジルのタッチ集が上がってたので見てみました。多分、パリのぐちゃぐちゃのピッチで行われたんでしょうけど、エジルはピッチの王様として振る舞い、見事なボディバランスと体勢を崩してもボールコントロールは失わない、神がかったプレーを連発させていました。エジルは2ステップ、スキップパス、ボディコンタクトと現代サッカーのセオリーをふんだん表現してくれるお手本のようなプレーヤーです。

2013年1月6日

ブスケツの戦術的役割1 攻撃編

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ブスケツってほんと凄い選手なんです。彼を発掘したグアルディオラもすごいですが、彼自身の役割はバルサにとって代えの効かないものなのです。それなのに、「ブスケツ」で検索をかけると「チラ見」だとか「ダイバー」だとか散々な汚名を着せられていてホントかわいそうです。
Busquets2

それもこれも誰もブスケツの存在意義の大きさをわかりやすく説明できていないで居ることに原因があると思います。日本語文献はもちろん、英語圏のブロガーさんでさえ、ブスケツの戦術的役割をはっきりと説明できていません。そこで、僕が奮起して彼の汚名を返上すべく、彼なしにはなりたたないバルサの戦術の柱に迫ってみたいと思います。

2012年6月14日

将棋とサッカーの共通項3

将棋とサッカーの共通点はで御覧頂いたように多岐にわたります。ここでは将棋の勉強がいかにサッカーの上達につながるかという話をしたいと思います。

将棋の勉強法には以下の8つがあるようです。(浦野真彦著・『初段になるための将棋勉強法』24ページより)

  1. 戦法書(定跡書)
  2. 次の一手
  3. 詰将棋
  4. 必至
  5. 棋譜並べ
  6. 将棋観戦
  7. 対局
  8. 指導対局

2012年5月28日

将棋とサッカーの共通項2

サッカーの上達の上で戦術眼を磨くことは最優先事項です。しかし戦術理解度を上げるだとか戦術眼を磨くというのは具体的にどういうことなのかわからない方が多いと思います。今回は将棋の定石を学ぶことで、サッカーの戦術眼が豊かになるという具体例を紹介したいと思います。

「確かな戦術眼を持っている」とは「3手先を読める」と同義です。3手先を読めるということは、自分の頭の中だけを頼りにした夢想による想像ではなく、経験に基づく直感であり、先手を打つことで敵が不可避に一定のリアクションを取らざるをえない状況を作り出す唯一手です。相手に逃げ道を残してしまっては、完璧な読み切りができませんので、戦術眼が高いとは言えません。

サッカーは平面上のメタ空間に置き換えて戦術を議論することが可能なスポーツであり、選手の動きが時間的な制約を受けるという点で、駒の動きに制約のある盤上競技である将棋に、部分的に近似できます。

ではひとつひとつを例にとって説明してみましょう。

2012年5月22日

将棋とサッカーの共通項1

将棋とサッカーは似ているとよく言われます。元バルサスクールコーチの村松さんやライターの杉山さんが著書の中で語っていますし、個人的によく参照している蹴球計画さんにも将棋の概念を用いたサッカー戦術の解説をしています。なにより、A級棋士である深浦九段が雑誌でサッカーのコラムを持つほど大のサッカー好きらしくて、その彼がサッカーと将棋には共通点が多いとおっしゃるものですから、これは一サッカー戦術マニアとして将棋を勉強しなければ、いや是非やってみたいなと思い立ったのです。

そして将棋を勉強し始めて一年くらい、将棋とサッカーの共通項をすこしずつ発見してきたのでここにその成果を発表しておきたいと思います。

2012年2月18日

観る9 視野の5W1H 方法

「視野を広げろ」「首を振れ」

こうやって指導され育てられた選手は愚直に“首”を振ります。正確に言うならば、頚椎を旋回し(捻り)ます。従順な小中学生の微笑ましいほどの首を振る努力は、哀しいかな、サッカーの上達に直結するとは限りません。


何が言いたいかというと、視野を広げる行為は首を振ることだけではないのです。「首を振れ」などと言葉主導のコーチングを受けた選手は、首をふることだけが視野を確保する術だと盲目的に思い込んでしまい、その他の方法があることに気づくことが困難になります。今回は盲点になりやすい視野の確保の方法を伝授します。

周囲を観るための方法は以下の3つがあります。

2012年2月13日

観る8 視野の5W1H 位置

既に視野の5W1Hシリーズの「タイミング」 「対象」の回にも書いたように、首を振る時に事前に頭に入れておかねばならないことは、自分の「位置」です。自分の居場所がわかっていれば、自ずと求められるプレーが決まってきますし、自分の位置と敵味方の位置の関係性を把握することもまた、次のプレー決定のための重大な要素になります。

つまり、ピッチを基準にした絶対的な位置と敵味方との相対性による位置の2つを区別して考えなければなりません。

位置(ポジショニング)を考える場合、以下の3通りに整理すると容易になります。
  1. ピッチを3分割したゾーン
  2. ポジション(味方との関係性)
  3. ポジショニング(敵との関係性)

2012年2月2日

観る7 視野の5W1H 動機

なぜ首を振らなければいけないのか。それはもちろん良いプレーをする為です。良いプレーは積み重なり、良い“一連のプレー”になります。良い一連のプレーは得点機会を生み出し、失点機会を未然に防ぎます。このようにして、試合において支配権を握り、ゲームに勝つことができます。そして、良いプレーを積み重ねることで、ひとつの試合に勝つのみでなく、長期的視点に立ってサッカーの質を向上させていくことが出来るのです。

では、最初の質問に戻ります。「サッカーでは“なぜ”良い視野を確保することが重要なのか」

これには2つの答え方ができます
  1. 敵のプレッシャーを回避するため
  2. 味方のプレッシャー(期待)に応えるため

2012年1月29日

観る6 視野確保の5W1H 協調

始めに視野の確保の5W1Hと書いた時に、“who”に当たる「誰が」というのは当然「自分」になるのだから、説明は要らないだろうと考えました。しかし、サッカーの試合においては“with whom”, つまり「誰と共に観るのか」ということも重要になります。簡単な話がアイコンタクトです。

アイコンタクトは、個人的にはそれほど重要視していないのですが、アイコンタクトの意味するところがサッカー界では誤解あるいは狭義に取られてしまっているので、簡単に説明したいと思います。

アイコンタクトというと、一般的にイメージされやすいのは、「パスの受け手と出し手が互いの位置や狙いを確認しあうためのコミュニケーション」であるということです。しかしこれでは、アイコンタクトが実践されるのはパスの交換がある時だけで、実践者はパスの出し手と受け手に限られてしまいます。

時には出し手が受け手を見ないほうが良い場合もあります。ボールが近くにあるときやボールを持った状態では、敵を観ることを優先しなければならないので、味方に視線を送っている暇はありません。特にボールを持ってから受け手とアイコンタクトを取ることは、見合いの概念やつなぎのセオリーから言って、致命的なミスに繋がります。

実際には、アイコンタクトはパス交換の時のみならず、守備の時、パスが回ってくる前々段階の時、パスを受ける時に第一の受け手と第二の受け手がコンビネーションランをする時等々、あらゆる場面で使用されます。

2012年1月28日

観る5 視野の5W1H 対象

サッカーのゲームにおいて視野を確保することは良いプレーをするための重要な要素です。サッカー経験者なら誰もが「首を振れ」「周りを見ろ」と言ったり言われたりしますが、しかしこれは一体何を見ろと言っているのでしょうか。

“サッカーの試合中に何を観るべきか”という問に真面目に答えようとすると、その回答は空間認識、時間的広がり、幾何学、人間関係性、精神性にまで及ぶこととなり、ブログの一ページに綴ることは容易ではありません。

ここでは、“味方からパスを受けて、ボールを離すまで”に焦点を絞り話を続けようと思います。

その前にひとつの興味深いに関する記事をお読みください。

「制限」が 「創造性」を高める理由-WIRED JAPANESE EDITION

2012年1月14日

観る4 視野の5W1H 方向

長らく長らくお待たせしました。視野の確保 5W1Hシリーズの続編です。かなーり前になりますが、良い視野の確保のためには首を振るタイミングが重要だということについて書きました。
「観る3 視野の確保の5W1H その1」

ボールから目を離すタイミングがつかめたら、次は観る方向のことを考えてみましょう。

前、横、後ろの順に難易度が上がる                 

左図は相手ゴールに向かって立った状態を想定しています。つまり、前とは攻撃方向で、後ろとは自チームゴール方向を指します。

観る方向とは、読んで字の通り、首をふるべき方向です。方向には大まかに言って前後左右の4つがあります。そして斜め前と斜め後ろを加えた8方向を基本に考えれば良いと思います。(ポジションにより観るべき方向に制限がある場合がありますが、ここではより一般的な話をするために中盤の中央の選手を想定して書くことにします。)



前を観ない選手はいないと思います。なぜなら、前方にこそ目指すゴールがあるからです。といいつつ時には前を観ることより優先して横や後ろを観るべき局面があります。詳しくは後述します。

次に横なんですが、レベルにもよりますが、大体小学校4年生くらいまで、横はなかなか向けないと思います。9,10歳当たりから、横方向への意識付けが出来れば上等で、12歳までには前と横の2つを組み合わせて攻撃を組み立てられるようになれば良いと思います。ですから、横を向くというのは小学生レベルの話なので割愛します。

図で赤い矢印が示すように、後ろを観れる選手は高校生年代でもなかなかいないように思います。バルセロナのシャビやセスク、特にシャビをよく観察すると、ボールを受ける直前に後方に首を振っているのが分かります。

2012年1月13日

ポジショニング5 焦点位置とプレーイメージ

攻撃時のポジショニングに関して以前4つの記事 にまとめましたところ、結論としては複数のDFの中間地点に位置取ることが有効だとしました。このポジショニングを実践すると、パスが回れば回るほど、自分に優位な流れを呼び込むことが出来ます。

つまりは3Dポジショニングはピッチの中央でプレーすることを可能にさせ、よりゴールの近くでのプレーが可能になるということです。ごっつぁんゴールも増えますし、一見崩れてない様に見えるがするするとゴール前へ到達しているようなプレーも増えます。

今回はこれより少し踏み込んで、3Dポジショニングからのプレーモデルをひとつ紹介します。

名付けて『焦点プレー』です。将棋の手筋である「焦点の歩」から着想を得ました。

では説明。

2011年11月20日

飛ばすパスとバルサの鳥かご

ひとつ飛ばすパスの重要性は再三このブログに記述しました。飛ばすパスを正しく認識しているかどうかで、サッカーの理解度に2段3段の差が出てしまいます。飛ばすパスの概念は崩しの場面のみで重要なのではなく、つなぎ、預けのパス、クロス、セットプレー、ロングボールなど、サッカーのありとあらゆる場面で応用されます。

ここではバルサの試合前のウォームアップ映像から、飛ばすパスの使われている頻度を確認してみましょう。


(動画消されちゃうみたいなんで適当に「FCBarcelona warm-up」とかで検索してくださいね。)

2011年9月24日

居抜きパス

今回はバルセロナ対バレンシアの最新の試合からパスの技を一つ紹介します。

居抜きパスは以前見た『ひとつ飛ばすパス』と『背中でスペースを作る』を組み合わせた崩しの形で、崩し以外の場面でも頻繁に見ることができます。




『居抜き』とは将棋用語で、飛車や角など遠くに利く駒の利き筋に居る自分の駒を一つ動かす(抜く)ことで、利き筋を伸ばした駒と動かした駒で両取りを狙う形のことです。ではサッカーにおいて居抜きを使うとどうなるのか。早速、図解で説明してみましょう。


2011年9月15日

崩し論まとめ 三種の崩し


これまでの崩し論で見てきたとおり、崩しには様々な形があります。しかし、僕が20年ほどサッカーをプレーし観戦してきた経験の中で最近ようやくわかったことは、崩しの形は大きく分けて3つの種類に分類できるということです。それは
  1. スペースへ走り込む味方に合わせてパスを送る
  2. スペースを作り出し、スペースを使う別の選手に合わせてパスを送る
  3. ひとつ飛ばすパスでDFの意識のギャップを突く
です。極論を言えば、崩しの形は以上の三種類しかありません。そして、各々の崩しの形は上の3つを組み合わることで全て説明できます。

では一つ一つの崩しを細かく見ていきましょう。

2011年8月9日

クロスの常識、新常識

前回までクロスのトレンドと題してクロスの狙い方をクロッサー視点から解説してみました。今回はクロスのセオリーをちょっと整理してみましょう。

クロスの常識というとどんなものがあるでしょう。 よく言われるのが
  1. ゴール前に2人以上人数をかけろ
  2. ニアとファーに分かれて走りこめ
  3. 2人は交差するように走りこめ
  4. ニアには速いボールを蹴ろ
  5. ファーにはやまなりのボールを蹴ろ
  6. 出来れば3人目が2列目から詰めていけ
 などでしょう。下に図にしてみました。

2011年8月7日

崩し論1 形、イメージ

理想の崩しとは前回の記事で書いた通り、曲線的な崩しです。曲線的な崩しを実現するには、2択を迫るということが基本になります。

そのためには
  1. ボールホルダーは直近のDFに対して正対し
  2. サポート選手はトライアングルを作るように位置取りし
  3. 互いの距離を均等に保ち
  4. 周囲のDFからも均等な距離を保つ
  5. あるいはもう一人の味方と同一直線上に並ぶようにポジションを取る
ことが求められます。(この辺のことはポジショニングシリーズ重なったら一つ飛ばすに詳述)

2011年8月6日

崩し論0 直線と曲線

崩すということを考えた時に、その方法はパスかドリブルかということになります。ドリブルについては「ドリブル方法論シリーズ」などで取り上げていますので、ここではパスで相手守備陣を崩すことについて考えます。


パスでの崩しを試みる場合、二つの考え方があります。一つは相手を騙すということ。もう一つは予測されていても絶対に相手の届かないスペースへボールを運ぶということです。