footballhack: ファーストタッチのコツとトラップ上達法

2013年8月14日

ファーストタッチのコツとトラップ上達法

サッカーボールコントロール


サッカーではファーストタッチの質がプレーの成否を分けます。簡単に言うとトラップが上手い奴がサッカー上手いって話です。そこで、今回はサッカーにおけるファーストタッチの意味と逆をとるトラップの方法を解説します。最後に練習法も考えてみたので試してみてください。






  トラップの分類

まず、トラップ(コントロール)をボールの位置によって2つに分けると

空間系地上系があります。

主に守備的、中盤低めの選手は地上系、FWや攻撃手は空間系が得意なようです。クラックになるには全部できないとダメです。

空間系には クッション、 ウェッジ、 すくい上げ、 叩きつけ、などがあります。

空間系トラップとはなんぞやってひとは、ひとまず浮き球の処理という記事群を見ておいてください。時が来たらまとめますのでしばしお待ちを。

今回取り上げるのは、地上系の

前後表裏

合わせて4種です。

ということで今回はこの図を使って遊びます。

トラップの基礎 001



  トラップの基本

まず、トラップの基本をおさらいします。トラップは受動的変形を使うと易しく止められることがわかっています。

【参考】 蹴球計画 正しいコントロールとは、利点その1、勝手に止まるメカニズム

トラップの基礎 002

そのためにはなるべく足の先の方でボールに接触します。足のヘリと呼ぶ人もいます。

【参考】ソフトタッチのコツ/2%s通信

なるべく爪先に近いほうがよいでしょう。親指の横を意識するといいです。

爪先近くだと接触面が小さくなるからコントロールが安定しないと考える人も居るでしょう。しかし、一度騙されたと思って試してご覧なさい。ものすごくかっこよくボールが止まります。足首の力加減と回転のかけ方次第でトラップのバリエーションを増やせるので凄くオススメです。

トラップの基礎 003

トラップが硬い人は総じて土踏まず付近を使っています。よく観察してみてください。特にJリーグではこの差が結構よくわかるので、例題にしやすいでしょう。

なんでインサイドトラップを前提にここまで話を進めてきているかというと、インサイドトラップは後々見るように、もっとも敵を騙しやすいトラップだからです。



  いなすトラップだけでは不完全でした。ごめんなさい

以前、いなすトラップシリーズとして移動と回転という考え方でトラップを考察したことがありました。今から説明するのはそれをさらに進化させた考え方です。進化というより深化、つまりもっともっと細かく分析した結果を発表したいと思います。

回転すりゃいい、前後にズレればいい、と講釈をたれましたが、それでは不完全だったことに気づきました。深く陳謝します。もうしわけありません。

コントロールの仕組みを完全に理解し、それにいなすトラップの考え方をミックスして論じないと、ファーストタッチは完璧なものにならないようです。つまり

蹴球計画さん的コントロール+footballhackのいなすトラップ=プロのファーストタッチ

ということです。

能書きが長くなったので早速図解します。



  敵の逆をとるトラップの仕組み

インサイドキックに表と裏があるようにインサイドトラップにも表と裏があります。

サッカーが上手い人は同一姿勢から複数の選択肢を持つことが出来る、というのが持論なんですが、トラップも一緒です。2つ以上のプレー可能性を保持できる姿勢を維持することが上達への近道です。簡単に言うと、同じ姿勢から右にも左にも行けるっつうことです。

そこでインサイドがすごく役に立ちます。表裏のインサイドキックが出来る人なら明日からでもすぐに始められますが、知らない人にとっては感覚的に非常に難しいプレーでもあります。インサイドでボールを捉える姿勢というのは、僕はサッカーにおける超基本的な姿勢だと思っています。

MesutOzil120512F073 01

この姿勢から次に何が起こるかは想像しにくいですよね(同意していただけるでしょうか?まぁ明らかにキック直前の画像なんですが笑)。この姿勢からあらゆる方向へのプレー可能性を想像できる人ほどサッカー知能が高いと言えます。

じゃあインサイドトラップの可能性とはどんなものか、下の図をご覧ください。

トラップの基礎 004

右足を真横に開いて正面からくるボールを止めるところを描きました。

トラップの方向はおおまかに言って前後表裏の4種類あります。は正しいインサイドキックの考え方から拝借しました。

前は一番簡単でボールを弾き返して、パスが来た方向へ戻るようにトラップすることを指します。

表が次に簡単です。これが出来るようになれば攻撃の打開力を上げることができます。親指に引っ掛けて、軸足側へボールを弾くとうまくいきます。香川が得意としていて、個人的にはこの方向へのトラップを香川ターンと呼んでいます。やりかたは今後別口で紹介します。

次に来るのが後ろです。これは以前紹介したブスケツターンと同じです。ボールに接触した後に回転を使ってパスの進行方向にボールを転がす技術です。

最後に一番難しいのがインサイドトラップ裏です。普通はアウトサイドで止める方向へ、インサイドを使って止めます。なぜ無理にインサイドを使うかというと、インサイドを使うだけでフェイントになるからです。アウトサイドでは膝の角度で行きたい方向が相手にバレてしまいます。インサイドだからこそ、この裏のトラップで相手の逆を取れるのです。これはエジルトラップと個人的に呼んでいます。やり方は追って報告していきますが、これはそうとう股関節が柔らかくないとできません。身体の柔軟性はテクニックに比例するんですね。




  相手からの見え方

前から見た時、DFにはこうやって見えます。

トラップの基礎 005
赤が前、
水色が後ろ、
黄色が表、
緑が裏です。

横から見るとこんな感じ。 トラップの基礎 006


4方向に同じアクションで止めるには、足を縦に動かす必要があります。ボールを上から切るように止めて、回転をかけることで様々な方向に置くことができます。

また、足を上から下に動かすだけで4方向へボールを操れるということは、守備者の予測を外すのに役立ちます。





反対に、足を横に動かすことしかできない選手だと、まずボールに触れる前から確実に相手に止め場所を悟られてしまいます。横に足を動かすトラップは予測されやすく、したがって厳しいプレッシャーを受けることとなるのです。



足を引くことが下手な証なのは、引くことでトラップする方向を教えてしまうことにも起因するのです。ボールに寄って弾くトラップも同じことです。つまり、足を引いたり押し出したりする動作は下手な選手がすることなのです。

足を横に動かすトラップが常に悪いとはいいません。しかし、足を縦に動かすトラップができない選手が下手なのは真です。



  練習方法

練習法としては4人一組でターンのドリルが良いと思います。中央に2人で一直線に並び、コーンを目印においておきます。

トラップの基礎 007

まず、外側の2人がボールを持っていて、同時に内側の選手にパスを出します。

トラップの基礎 008

内側の選手は背後の気配を感じて、空いているゲートを通過するようにファーストタッチをします。ゲートとは中央に置かれた4つのコーンの間を指します。気配とは音とか声とか背後を振り返って視認したりとかです。実際の試合でも、後ろを見ないでターンしなきゃならない場面に遭遇します。その時瞬時に相手をかわすためにこういうトレーニングが必要なのです。

トラップの基礎 009

ターンして逆側のサーバーにパスを出したら元いた場所に戻ります。

図では左右に抜けていますが、前後のギャップでも構いません。

1分くらい繰り返すといいでしょうか。

トラップの基礎 010

何が目的かというと、始めからターンする方向を決めずにパスを受けて、瞬時にファーストタッチを方向づけすることです。それにはニュートラル姿勢で待って、ボールに触れる直前で足首の角度を変えてトラップする必要があります。背負った状態あるいは敵と敵のギャップ、いわゆるゾーンの隙間でパスを受けてから、守備者を騙しつつスピードに乗ってドリブルに移るためのトレーニングです。

実際に香川とかエジルとかの映像を先に見せておくと、イメージしやすいかもしれません。今後作成する予定です。

推敲はまた後でしますがとりあえずアップします。

3 件のコメント:

  1. 最近トラップに注目して観戦およびプレーすると
    イスコは抜群にトラップがうまいように感じます
    なんというか重心を低くしてうまくボールを隠してるのがコツなのかなと思います

    あまりにも予測のつかないトラップだったので投稿してしまいました

    返信削除
    返信
    1. そうですか。イスコのトラップは気をつけてみたことはありませんでした。彼は手押しが非常に上手く、また肩入れ潜りとかのフィジカルコンタクト技を多用します。そのためドリブルで取られることが少なくチームのポイントゲッターとして働けます。エジルがいなくなったのでマドリーで主力で使われるのでしょう。トラップ気をつけてみてみます。

      削除
  2. 丁寧にご返信ありがとうございます
    確かにイスコは小柄な体格を十二分に活かしてプレーしてますね
    絶対に取られない自信がプレーから伝わってきます
    ドリブル時の姿勢のブレなさも目を引きました

    将来、スペイン代表でのイニエスタとの共演が待ちきれません

    高校時代、選手兼コーチだった自分に教えてやりたい知識がこのブログには目白押しです。これからも更新楽しみにしてます。

    返信削除