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2014年1月4日

ジンガ・言語・文化



今回のシリーズでは サンバのリズムとドリブルのリズムと題してサンバのリズムやカポエイラのリズムに関して説明しました
  1. 浮きとドリブル
  2. ブラジルサッカーとリズムの訛り

浮きとドリブルとは技術的側面、リズムの訛りとは音楽的側面を説明したところです 
今回はジンガの正体を解き明かしたいと思います。 




リズム変化を利用して、重心を素早く移動し相手を騙し相手の予測のタイミングをずらし、そして方向を変化させる これがサッカーのドリブルの極意です。




2014年1月1日

サンバのリズムとジンガドリブル2




ブラジルサッカーにはサンバのリズムが刻み込まれていると言われます。ドリブルのリズムやボディフェイントの挙動がカポエイラやサンバのダンスに似ているとも言われています。これらのことは具体的に何を意味するのか?説明できる人は少ないです。

今回はブラジル特有の打楽器の叩き方からリズムの訛りについて検証してみました。
全3回中の第二回から紹介します。








2011年1月18日

同調、リズム、ドリブル

先ほどNHK教育で「すいえんさー」という番組を見ました。毎回面白いテーマを扱い、科学的にかつバラエティ要素ふんだんに製作されているのでたまに見るんです。女の子が可愛いというのもありますが笑。

放送のテーマは道端で接近しながら対面する2人が通せんぼしてしまう「お見合い」という現象です。「お見合い」の原因は「同調」であるということが紹介されていました。→すいえんさー「いよいよ火曜は道でお見合い!!」

「同調」とは目に映る人の動きを無意識に真似してしまう人間の特性で、これを意識的に防ぐのは難しいということでした。詳しい内容は再放送を確認していただけるとよろしいかと。

番組後半、筑波大学のサッカー部と浅井武教授が登場し、同調を破るステップワークの紹介がされました。サッカー科学を研究する浅井氏をTVでみたのは久しぶりで、少しココロ踊る気分でした。

彼の主張をかいつまむと、サッカーにおいてDFはドリブラーのステップワークに同調することでドリブル突破を防ごうと心がけ、逆にドリブラーはDFの同調を促し眼前で同調を破ることで抜くタイミングと方向を悟らせないようにして突破を試みるということです。

これには非常に賛同します。以前このブログで扱った「独特のリズム」という項の主旨と合致します。

番組で紹介されていた「お見合い」を回避する方法に「ちょこちょこ走り」というものがありました。お見合いを回避するには有効かもしれませんが、実際にサッカーグラウンドでは有効であると言い切れません。

DFの眼前でステップを細かく踏むことのデメリットは2つあります。DFに突破のタイミングを教えることと、前進スピードを緩めざるを得なくなることです。

ステップワークを細かくすることはフェイク動作と考えていいでしょう。フェイク動作はその動作に時間がかかればかかるほど、次のプレーがターンと加速であることをDFに知らしめてしまいます。また、「ちょこちょこ走り」のようなフェイク動作は同時にボールを押し進めることができなくなるので、ドリブルスピードが低下し、次の加速という動作にスムーズに移行することが難しくなります。

「ちょこちょこ走り」 に近いフェイク動作を実践するジュビロの駒野選手やガンバの加地選手はお世辞にもドリブル突破が得意とは言えません。以上の理由でDFの眼前でただステップワークを細かくすればいいという考え方は有効でないと考えています。

自分が考えるベストのドリブル突破法は「ちょこっ走り」です。2歩1触で正対しながらDFに接近し、DFのステップワークを同調させます。そこから「ちょこっ」とステップワークを変化させて加速して抜き去ります。この「ちょこっ」は同じ足の2度着きや3連符のリズムの導入などです。このようなドリブルを実践しているのが香川やメッシ、ディマリアやロッシなどです。無駄をそぎ落とし、人間の無意識領域の習性を利用してドリブルする様が美しいと感じるわけです。

いずれにせよ、番組で紹介された「同調」という概念はドリブル突破を考える上で非常に重要であると考えています。



関連記事→音楽、リズム、ドリブル

メッシのドリブル 「独特のリズム」

ドリブル方法論1

2011年1月4日

ブラジル人に学ぶ声の出し方

普通、ピッチ上でパスがほしい時はどんな風に声を出しますか?「ヘイッ」とか「ハイ」とかでしょう。そうやって声を出せって指導されますから。

しかもできるだけ大きな声で呼べと言われますよね。ボールホルダーはボールを扱うことに夢中で周りを見渡せないことが多いですから、大きな声でアピールしないと自分の存在に気づいてもらえないわけです。

でも大きな声で呼んでも気づいてもらえないことって多くないですか?

プロの試合では観客が絶えずチャントを歌っていてピッチ内は騒音に包まれています。そんなときはなかなか声が届きません。アマチュアの試合でもピッチ内では選手同士が大きな声で指示を出し合い、声の小さな人はなかなかパスを呼ぶ声が伝わりません。

こんなときブラジル人ならこうやって声を出すでしょう。

「ホッ」

ホッっと高い声で呼びます。こうすると何故か遠くまで声が届きます。ジェンダー的に問題ある内容かもしれませんが、通常サッカー場にいる人の8割以上が男性です。飛び交う声の多くは男性特有の低い声であって、観客のチャントは怒号のような低い響きを轟かせます。この環境の中では、高い声というのはとても目立つんです。なので「ホッ」と裏声で声を出すと、他人の声に埋もれることなく、ボールホルダーの注意を自分に向けさせることができます。

やりかたは、合唱の練習でやるように、腹筋を使って息を小気味良く吐き出しながら、スタッカート気味に裏声で発声するようにします。「ホッ」と言う感じで。

これを初めて聞いたのは某プロサッカークラブの練習を見学したときでした。ブラジル人選手のほうから奇声がきこえてくるので観察していたら、パスを要求する声でした。その後フットサルチームの練習を見ていたら同様に声を出す選手がいて、これはブラジル流のコミュニケーションなのかなと思ったんです。

ちょっと恥ずかしいですが、慣れれば味方に確実に通じる声の出し方をマスターできます。声の小さい人にもお勧めです。

サル顔の人が連発すると「ゴ○ラ」というあだ名がつくかもしれないので気をつけましょう笑

2010年11月13日

音楽、リズム、ドリブル

(2拍子+3拍子)÷ドリブル=独特のリズム そんな話をひとつ。

メッシのドリブルに関しての一連の記事の中に、独特のリズムとはどうやって生まれるかについて書いたものがありました。(メッシのドリブル3-1 独特のリズム)今回はそれの補足です。

タンウンタンウンタンウンタタンウンタンウン

これはメッシが緩急とリズムの変化をつけて、敵を抜き去るときの左右の足の着地音を表したものです。これをさらに詳しく説明するとこんな風になっているのではないでしょうか。↓

タンウンタンウンタンウン タタン ウンタンウン
|←   2拍子   →|3拍子|←2拍子→|

つまり太字の切り返しの時に3拍子3連符が正しい言い方ですが)になってるんではないかという話です。



■2と3の切り替え

話は飛びますが、2歩1触のドリブルを素人にやらせようとすると、左右の足の着地間隔が不均衡になり

タッカタッカタッカタッカ

のようになってしまいます。これはボールを蹴ることに慣れていないため、蹴り足がボールに触れることを意識しすぎてしまって、蹴り足の着地が遅れるためだと考えられます。一種のリズムの訛りが生まれます。そしてこれはヒトが球を転がす原点であり、「自然なドリブルの姿」のように見えます。

しかし、このままでは2歩1触で自分の意のままに旋回したり、速いドリブルは出来ません。出来る人もいるだろうけど。

試合で2歩1触の高速ドリブルを相手に御見舞いしたい場合、この訛りを矯正して

タンウンタンウン

としなければなりません。ここが2歩1触の第一ハードルなわけなんですけど。つまり、ボールなしで普通に走るときと同じように、左右の足の着地間隔をなるだけ均等にしてドリブル出来れば、スピードに乗ったドリブルが可能になるのです。全速力の7割程度の速度で出来るようになれば立派な運び屋になれます。

だけど、これだけではドリブラーになれません。敵を抜いていくことが出来ないんです。敵を抜くには変化が必要です。それがリズムの変化です。リズムを変化させることで結果的に速度と方向が変化していきます。どう変化させるかというと

タンウンタンウンからタタンタッカあるいはンタタと変化させます。

どれも3拍子(3連符)ですね。ちなみに3連符とは1拍の間に3度刻むことです。タタタ

変化というか元に戻すだけなんですけれど。初めに出来たこと(タッカ)を一度矯正して(タンウン)また元に戻す(タタタ)。

2拍子と3拍子を意図的に切り替える事が出来れば、スピードに乗ったドリブルと目の前の敵を打ち負かすステップワークが両立します

このイメージを持っておけば、フェイント動作の鍛錬時に筋肉に頼らないスムーズな身体操作を身につけられるのではないかというのが持論です。

例えば下の動画のビジャなら、 タンウンタンウンタッカタンウンタンのように抜いていきます。


切り返し直前に軸足を引きずるように2度着きしているステップを厳密に擬音化するなら、
タンウンタンウンタツッカタンウンタンとなります。


ちなみにメッシの2ステップ(詳しくは今後ビデオを載せる予定です)の場合

タンウンタンウンタッカタンタウンタン

のように抜いて行きます。メッシは切り返し動作に入る直前にステップワークがとてつもなく細かくなることがあります。敵の狙いを半拍ズラしてすり抜けるような。



他にもタタンタタンとかンタンタッカとかステップワークを変化させるだけで無限にフェイク動作のバリエーションが生まれます。

2拍子のままでもスピードを活かせば抜いていくことが出来ます。が、2拍子のまま方向を変化させると過度に筋肉を使うことになり、結果的に動作自体が遅くなることがあります。故障の原因にもなりかねませんので筋肉系選手以外にはオススメできません。

子供にフェイク動作を教えるときは動作の大きさや速さだけを言及するより、上記のような音やリズムを用いて指導すると、直感的に伝わるかもしれません。

「ここはタタンと行くんだ」とか「タッカタンって感じでちょっとタメるといいよ」とか


■民族音楽:複合リズムとドリブル

それで音楽についてなんですが、世界中に広まった音楽の起源は元々はアフリカ大陸にあるらしいのです。人類の祖先が元々は一つで、アフリカ大陸からヒトの祖先達が世界中に移動していったことを考えても納得出来る事実だと思います。

このアフリカの音楽の根底をなすリズムは何かと言うと、です。アフリカ源流のリズムは3拍子が基本なのです。3拍子の音楽は祭事に用いられます。二足歩行をする人間が自然に生み出せないリズムとして、3拍子は神様を地上に招くときに奏でられたと言われたとか言われないとか。

以前の記事にも書いたように、アフリカだけでなく現存する多くの民族音楽では3拍子あるいは3連符のリズムが用いられています。 中には2拍子と3拍子を曲中に入れ替えるものやポリリズム(複数の奏者が違うリズムを演奏する)といったものまであります。初めからドリブルのリズム変化に親しみやすい音楽が海外では奏でられていると考えることも出来ます。

近い将来、アフリカ出身でとんでもないテクニックとフィジカルを備えたストリートサッカー出身のスターが現れるんじゃないかと妄想も膨らみます。

一方、日本の伝統音楽の基調となるリズムは2拍子でモノリズム(複数の奏者が同じリズムを奏でる)と言われていますが、民俗音楽である祭囃子や民謡などではハネたリズムいわゆるスウィングが用いられます。ドッドドッドドッドドッドという和太鼓の合奏などが良い例です。これもいわば3連符の仲間です。日本人は祭囃子や民謡に親しむことで、ドリブルに独特のリズムが出るようになるかもしれません。

日本人のサッカー少年少女達には是非将棋と和太鼓を習ってもらいたいと強く思います。

こんな風に考えていると、ブラジル→サンバ→ジンガ→ステップワーク→ドリブルのような関連性が少し見えてきて面白いです。


はじめに戻りますが、「自然なドリブルの姿」をそのまま維持してプロ選手として活躍するのがロナウジーニョ・ガウショであり、メッシであり、香川真司です。特にロナウジーニョはスピードに乗った直線的なドリブルをする際でさえ、ステップワークの訛りがありますね。



2010年8月26日

つなぎ論4 音楽とサッカーのスタイル

W杯を見ていると、普段は別々のチームでプレーしているスター選手たちが、同じ国旗のもとに集まってプレーをしているので、各国のサッカーのスタイルが顕著に現れて、とても面白いですね。

スペインはパスに重きを置いてなかなかシュートを打たなかったりして、日本人の感覚に近いものを感じます。ドイツは協調性のある直線的なランニングからチャンスを生みます。ブラジルは細かいパス回しからいつの間にか突破をしているというシーンが多いですね。

こういったサッカーのスタイルは、各国の民族音楽のリズムの影響を受けている、というふうに考えるのも面白いかもしれません。というのも強豪国には独自の音楽文化があることが多いからです。

よく言われるのは、ブラジルサッカーにはサンバのリズムが流れてるということです。サンバのリズムには、4拍子の中に3拍子を埋め込んだようなリズムの訛りがあるんです。西洋音楽の考え方からは生まれないリズムです。ちょっとズレているようで、みんながそのちょっとズレたリズムにあわせて動いているので、ブラジルの攻撃はヨーロッパのチームに読まれないのではないでしょうか。

また、スペインにはフラメンコがあります。フラメンコのリズムの基本は12拍子と言われているそうで、3拍子×4のなかでいろいろとアクセントを変えるみたいです。よどみなくリズムが流れていくような美しさが感じられます。これがスペインのパスへの美的追求につながっているのではないでしょうか。

大雑把にまとめてしまうようですが、スペイン語圏の南米の国々にも独自の民族音楽が多数存在しています。その多くがスペインとアフリカの影響を受けてできたもので、全体としてリズムに“うねり”があります。われわれの耳ではなかなか一筋縄ではいかないリズムばかりです。この“うねり”こそ南米らしい曲線的なスタイルを生み出しているのではないでしょうか。

一方のヨーロッパの国々のサッカースタイルは直線的で構築的なものが多いです。特にドイツやイングランドに代表されるような、スピードあふれるランニングと長いパスを多用するスタイルは、ハウスミュージックを思い起こさせます。縦ノリの直線的なリズムをベースに少しずつ音を足していく音楽の形態がヨーロッパのサッカースタイルと重なってくるのです。

では日本はというと、今のところ日本のサッカースタイルからは音楽的リズムを感じることは出来ません。日本の民謡や和太鼓のリズムは、誰にでも馴染み易い一方、歌や呼吸に合わせて拍のとり方を変えるという特徴があります。“歌”つまり“ボール”に合わせて“リズム”=“動き方”を変えるというふうに考えると、日本のサッカーはまさに「ボールに振り回されている」というのが現状かもしれません

日本に伝わる伝統のリズムを活かして、日本のサッカースタイルを確立できる日が待ち遠しいですね。

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ポジショニングとは何か