今回のシリーズでは サンバのリズムとドリブルのリズムと題してサンバのリズムやカポエイラのリズムに関して説明しました
浮きとドリブルとは技術的側面、リズムの訛りとは音楽的側面を説明したところです
今回はジンガの正体を解き明かしたいと思います。
リズム変化を利用して、重心を素早く移動し相手を騙し相手の予測のタイミングをずらし、そして方向を変化させる これがサッカーのドリブルの極意です。
サッカーが上手くなるにはリズム感がよく無くてはならないという話ではないのです。確かにロナウジーニョは楽器も叩けるし音楽も好きだしみんなの輪の中心にいる素晴らしい人物でありますが、それがサッカーの旨さと関係あると決めつけてしまうのは尚早であるのです。 音楽が好きじゃないからドリブルが下手だというのはありえないのです
ジンガとはカポエイラというブラジルの伝統文化から生まれた言葉であるように、ブラジルには固有の文化があります。それをサッカーというワールドワイドなスポーツを表現する時に、外の領域から言葉を借りることがよくあるんですが、 ジンガとはまさしくそれです。
サッカーを表現する時にあるいは理解する時に、他の文化圏から言葉を借りることがよくあります。 日本のサッカー界には横文字が多いんです。 ビジネス界でも多いですが、カタカナ語や和製英語が非常に多いです。
これが何を意味するかというと、当該領域での言語文化が成熟していない証なんですね。他の領域や外国から言葉を借りるということは 日本国内でコトバ文化が成熟していれば、例えばネットスラングや刻々と変わる若者言葉のように、 日本固有の言語文化はいくらでもあるんです、その固有の文化を外国から借りてくるのは非常に楽であり、それをしてしまえばいかにも理解が進んだように感じるのです
それは外国の文化を真似するだけであって、自国の文化が成熟する一時の助けにしかなりません。成熟度として外国の文化を取り入れているだけではまだまだダメだということです。 外国の文化を真似することは過程の中では大事ですが、それがゴールではないのです。 僕はもっともっと日本語を活かすべきだと思います
例えば、日本固有の格闘技に相撲があります。また戦前から親しまれてきたスポーツには野球があります。また盤上競技の将棋があります。こういった他の領域から言葉を借りることが非常に大事になってくるんじゃないかと思うんですね。
日本固有の他の文化から言葉を借りる、これによって日本サッカーの固有の進化を 生み出せるんじゃないかと思うんです。これがジャパンズウェイにつながるのではないでしょうか? 日本人は重心の逆を取るとか柔よく剛を制すといったコトバが好きです。また相撲の決り技は細かく分かれていてそれぞれ名前がついています。このように日本人は細かい技や工夫が好きな気質を持っています。これをサッカーにも活かしていくべきでしょう。
サッカー大国のブラジルでは様々な表現を用いてサッカーが分析されたりメディアで取り沙汰されたり街角で会話されます。そうやって育ってきたブラジルサッカー文化があるならば、日本は日本固有の言語表現を使ってサッカー文化を成熟させていけばいいと思うんです。
コトバが世界を形作るというようにひとつひとつのコトバが個人個人の認知のレベルを決定づけます。そして認知のパターンによって身体化が促されます。身体化とは表現・パフォーマンスに直接つながるのですから、コトバがパフォーマンスを決めると行っても過言ではありません。
「ジンガ」というコトバから文化の話まで広げてしまいましたが、ジンガがを理解するにはここまで話を広げる必要がありました。サッカー文化を成熟させることが日本が世界で結果を残すために必要なことだと感じますし、そのためにこの記事が役に立ったのなら幸いです。ではまた
日本の音楽で使われる(特に演歌)溜めも凄く素晴らしいですよ。
返信削除海外の方から見ると曲中でテンポを崩すのはかなり珍しいみたいです。
私はバンドをしていましたが、最後のキメなど一人一人が気持ちよくあわせようとすると、確実にずれます。
日本の音楽のように歌の調子に合わせて間を変えるというのもありますが、そこまでいくとレベルが高過ぎるというか、音楽的すぎるんですよね。そこまで鑑賞できる審美眼を持った人はサッカーに関わる日本人の中にはいないと思います。ブラジル音楽の良さは大衆性ですよね。僕も日本の民族音楽がもっと親しまれるように願ってはいるのですが。。。
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