footballhack: 崩し論
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2012年11月15日

ユベントス 3-1-4-2 攻撃分析

バルセロナセビージャとレバンテとイングランド代表のゾーンディフェンスドイツ代表アスレチック・ビルバオのサイド攻撃サンフレッチェ広島の変則3バックなどなどの分析を終え、一息ついていたところで、他に面白いチームないかなと思っていたら、「ユベントスが面白いらしい」と小耳に挟み、観戦したらなるほど特殊だが機能的で実に興味深いサッカーをしているではないか。そう思いまして、ユベントス分析をやってみたいと思いたったのです。

ユベントス攻撃 001ゾーンディフェンスの崩し方2種を理解すると、ユベントスのフォーメーションとチームとしての狙いが鮮明に見えてきます。では早速いきましょう。













  ユベントスの攻撃戦術を理解するためのメニュー


  • フォーメーション
  • 4番スペースを起点にしたポジショニング
  • 2番スペースとインサイドハーフ
  • 中央の使い方
  • クサビを通すためのスペースクリエイト


2012年8月22日

ビエルサ×ビルバオのコレクティブフットボール2

前回はビエルサがアスレチック・ビルバオというチームにおいてなぜサイド攻撃に重きをいたのかを説明しました。そしてこの戦術は、徹底したリアリズムとパターン化のもと、ポゼッションサッカーとリスクマネージメントを高次元で両立していることをこれから説明したいと思います。


  ビエルサ×ビルバオのサッカーを味わうためのメニュー
  1. システムの見方
    1. 4−3−3?
    2. 4-2-3-1亜型
    3. 4-1-3-1-1
  2. ポゼッション
    1. 攻撃時間を長く、守備時間を短くする
    2. ゲームの支配
    3. スリーバックポゼッション
  3. リスク管理
    1. タッチラインを使う
    2. ロングフィードを使う
  4. サイド攻撃
    1. デ・マルコスの外流れ
    2. WGの差金の動き
    3. クロスランニング
  5. 二次攻撃
    1. やり直し
    2. オンオフポジショニング
    3. 外流れ待機
    4. インナーラップ
    5. 8の字ローテーション(渦巻き理論)
    6. 中央は最後に使う
  6. 崩し
    1. ローポスト攻略
    2. 三者関係
    3. クロスに対してゴール前の人数を増やす
  7. 攻→守
    1. マンツーマン採用の必然性

3までは前回の記事で学びました。4以降でどのようにサイド攻撃を組み立てているか考えて行きましょう。

2012年5月28日

将棋とサッカーの共通項2

サッカーの上達の上で戦術眼を磨くことは最優先事項です。しかし戦術理解度を上げるだとか戦術眼を磨くというのは具体的にどういうことなのかわからない方が多いと思います。今回は将棋の定石を学ぶことで、サッカーの戦術眼が豊かになるという具体例を紹介したいと思います。

「確かな戦術眼を持っている」とは「3手先を読める」と同義です。3手先を読めるということは、自分の頭の中だけを頼りにした夢想による想像ではなく、経験に基づく直感であり、先手を打つことで敵が不可避に一定のリアクションを取らざるをえない状況を作り出す唯一手です。相手に逃げ道を残してしまっては、完璧な読み切りができませんので、戦術眼が高いとは言えません。

サッカーは平面上のメタ空間に置き換えて戦術を議論することが可能なスポーツであり、選手の動きが時間的な制約を受けるという点で、駒の動きに制約のある盤上競技である将棋に、部分的に近似できます。

ではひとつひとつを例にとって説明してみましょう。

2011年9月24日

居抜きパス

今回はバルセロナ対バレンシアの最新の試合からパスの技を一つ紹介します。

居抜きパスは以前見た『ひとつ飛ばすパス』と『背中でスペースを作る』を組み合わせた崩しの形で、崩し以外の場面でも頻繁に見ることができます。




『居抜き』とは将棋用語で、飛車や角など遠くに利く駒の利き筋に居る自分の駒を一つ動かす(抜く)ことで、利き筋を伸ばした駒と動かした駒で両取りを狙う形のことです。ではサッカーにおいて居抜きを使うとどうなるのか。早速、図解で説明してみましょう。


2011年9月15日

崩し論まとめ 三種の崩し


これまでの崩し論で見てきたとおり、崩しには様々な形があります。しかし、僕が20年ほどサッカーをプレーし観戦してきた経験の中で最近ようやくわかったことは、崩しの形は大きく分けて3つの種類に分類できるということです。それは
  1. スペースへ走り込む味方に合わせてパスを送る
  2. スペースを作り出し、スペースを使う別の選手に合わせてパスを送る
  3. ひとつ飛ばすパスでDFの意識のギャップを突く
です。極論を言えば、崩しの形は以上の三種類しかありません。そして、各々の崩しの形は上の3つを組み合わることで全て説明できます。

では一つ一つの崩しを細かく見ていきましょう。

2011年8月9日

クロスの常識、新常識

前回までクロスのトレンドと題してクロスの狙い方をクロッサー視点から解説してみました。今回はクロスのセオリーをちょっと整理してみましょう。

クロスの常識というとどんなものがあるでしょう。 よく言われるのが
  1. ゴール前に2人以上人数をかけろ
  2. ニアとファーに分かれて走りこめ
  3. 2人は交差するように走りこめ
  4. ニアには速いボールを蹴ろ
  5. ファーにはやまなりのボールを蹴ろ
  6. 出来れば3人目が2列目から詰めていけ
 などでしょう。下に図にしてみました。

2011年8月7日

崩し論1 形、イメージ

理想の崩しとは前回の記事で書いた通り、曲線的な崩しです。曲線的な崩しを実現するには、2択を迫るということが基本になります。

そのためには
  1. ボールホルダーは直近のDFに対して正対し
  2. サポート選手はトライアングルを作るように位置取りし
  3. 互いの距離を均等に保ち
  4. 周囲のDFからも均等な距離を保つ
  5. あるいはもう一人の味方と同一直線上に並ぶようにポジションを取る
ことが求められます。(この辺のことはポジショニングシリーズ重なったら一つ飛ばすに詳述)

2011年8月6日

崩し論0 直線と曲線

崩すということを考えた時に、その方法はパスかドリブルかということになります。ドリブルについては「ドリブル方法論シリーズ」などで取り上げていますので、ここではパスで相手守備陣を崩すことについて考えます。


パスでの崩しを試みる場合、二つの考え方があります。一つは相手を騙すということ。もう一つは予測されていても絶対に相手の届かないスペースへボールを運ぶということです。


2011年6月20日

考えて走る10 味方を追い越してフリーにさせる

今回は味方を追い越す動きの効用を見ていきます。これが上手く行けばクサビをフリーで受けることが出来ます。
まずは状況設定です。

左のように一番上の水色の選手がクサビを受けに降りてきます。それと同時に左の選手が裏へ抜ける動きをします。

このとき考えられるパス選択肢は2つあります。

ひとつはクサビとスルーパスの見合い重なったら一つと飛ばすで見たように、直接裏へ抜ける選手へパスを送るコースです。

これをやられたらDFとしては非常に痛いところです。
次の選択肢はポスト役に一旦預けて、そこからフリックパスなどで裏へ送るプレーです。この形は第三の動きなどと呼ばれます。

綺麗に決まれば攻撃側としては気持ちいいいですが、フリックのパスの技術が難しいところが難点です。
上の2つのパスを通されるとDFとしては非常に厄介なので、近年のゾーンディフェンス主流のサッカーでは主に左のように対応を図ります。

ポストプレーヤーをマークしていた選手が、マークを離し裏のスペースのカバーリングに回りました。
このとき左図のピンクの丸で示したゾーンが空くのでクサビのパスを安全に入れることができます。

味方を追い抜く走りには自分がボールを受けるだけではなく、味方をフリーにする働きもあります。チェックの動きは一切入っておらず非常にシンプルなランニングだけで相手を崩すことが出来ます。

このようなプレーは主にサイドでの攻防でよく見られます。

大事なのはパスの出し手がこのようにスペースの見つける能力を備えているかどうかです。


このプレーは横関係でも成り立ちます。


バルセロナがフィールド中央でポゼッションする時、この形がよく見られます。









スペースを作り使うサッカーをするために大事なのは、ボールホルダーに常に2つのパスコースを見せてあげることです。そうすれば相手の守備陣はどちらか一方しか防ぐことが出来ませんから、どこかに必ず一つ穴を作る結果になります。そこが活用すべきスペースです。

バルセロナの選手が速く走っているわけでもなく、チェックの動きをしているわけでもないのにフリーでクサビや横パスを受けられるのは、上で見たようなスペースの創造をしているからです。あるいはDFのマーキング意識にギャップを作っているとも言い換えられます。 複数人でそれぞれが別方向に走ることでギャップは生まれます。

今回は重なったら一つ飛ばすでみたスペースの見え方と全く逆の事象を取り上げました。スペースの生成条件は味方や相手の動きによって様々に変わります。瞬間的に正しい判断を下すには相応のトレーニングと柔軟な頭脳が不可欠です。

次→FWの動き方2 差金の動き

2011年6月15日

ワンツー色々2

前回は基本となる4つのワンツーの型をひと通り見てみました。今回は少し複雑なパターンをやってみたいと思います。

ワンツーは使い古された崩しの形です。「ワン」が通れば次に「ツー」がくることくらい誰でも予想がつきます。

ですので、左のようにパスアンドゴーしたのはいいもののDFに走ってついてこられた場合、どのようにすればよいでしょうか。

一つの答えにワンツー戻しがあります。ワンツーが通ったら壁役の選手にパスを戻す方法です。

これが意外と使えます。DFにとってはワンツーまで読み切ることは、それが使い古されたパターンであるため非常に容易です。しかし、「読み切った」という安堵感が引き起こされるからか、戻しパスまで予測することは大抵出来ません。
縦関係から始める場合は左図のようになります。

特にクサビパスから始まる崩しでよく見られます。

壁役の選手はワンプレーが終わっても気をぬかずにすぐに次のプレーのために動き出さなければなりません。





次はワンツーではないですが、壁パスに似たよくあるパターンを取り上げてみます。

ここでは便宜的に三角戻しと命名しておきます。

バルセロナの試合でよく見られるパス交換です。

これを行うとパスの起点になった選手にスペースと時間を与えることが出来ます。一度プレッシャーを回避してから大きな展開に結びつける時などに使います。



大事なのは常に次の一手を考えておくことです。パスが戻ってきてビックリしているようでは良いプレーは出来ませんからね。

では最後のため息の出るようなバルサのパスサッカーを御覧ください。上記のワンツーがたくさん出てくるので参考になると思います。

<参考動画>
動画消されてるんで、youtubeで「barcelona tikitaka」で検索してみてください。



次→クサビとスルーパスの見合い1

2011年6月14日

重なったら一つ飛ばす

今回は崩しやつなぎの場面で使えるパステクニックをひとつ紹介します。パステクニックというよりパスの見方といった方がいいかもしれません。

どんなものかというと下の図を御覧ください。
別に特別なものでもありません。左のように3選手が一直線に並び、端の選手がパスを出します。この場合は隣の選手を狙うより奥の選手を狙うほうがチャンスが広がるということです

あるいはこういう言い方もできます。一つのパスに反応する2選手がいた場合、より遠くにいる方の選手にボールが渡ったほうがチャンスになりやすい。
パサーからの見え方は左図のような感じです。

とりたてて語るところもなさそうなパターンですが、サッカーにおいては非常に重要な意味を持ちます。これが「観える」か「みえない」かは天と地ほどの差があると言えます。

では、このパターンにはどのような意味があるか説明していきます。
まずはDF心理を説明します。DFの原則はチャレンジとカバーです。ですから、DFは必ずボールに近い相手選手から順にマークに付きます
すると、左図のように一つ飛ばされると守備の集団意図を崩されてしまい、そこに穴を作ってしまいます。これが一つ飛ばすパスの狙いです。

10/11欧州CLの決勝、バルサvsマンUのメッシの2点目は丁度左図のような形から決まりました。イニエスタがシャビを飛ばしてメッシへパスを送ったため、パクは逆をつかれてしまいエブラもビディッチもカバーリングに遅れてしまいました。


加えて、このパターンで使われるパスに特別なパスフェイク動作は必要ありません。なぜなら、奥を狙ったキック動作そのものが、手前を狙ったパスフェイクになるからです。通常、DFはボールホルダーのキックモーションを見て次の手を読みます。このパターンの場合、同じキックモーションからキックの強弱だけで2択をDFに迫ることが出来ます。DFとしてはしょうがなく、よりボールに近い側に高い注意力を払わざるをえないので、奥が空いてしまうのです。このパステクニックがDFの習性を利用した技であるということがよく分かっていただけると思います。


斜めにするとこんな感じです。斜めのパターンはスルーパスやサイド突破など最後の崩しでよく使われます。
頻繁に見るのが左のような形です。奥の選手が走りこむところに、水色の線のパスフェイクを使ってDFを引きつけて、一気に裏を取ります。

DFは目の前のマーカーに気を取られてしまい、カバーリングに回るのが遅れるので、崩すのが容易になります。
もうひとつのパターンは左のように、近い選手が走りこむ形です。

2選手間を横切るように味方が駆け抜けてくれば、奥の味方のマーカーはそちらのカバーリングに気を取られますので、その隙に奥の味方へパスを送れば、マークを引き剥がした状態でボールを渡せます。


縦のパターンはゲームのレベルに関係なく頻繁に見ることができます。

例えばGKからのパントキックを前線でFWが競りあって、抜けてきたところをもう一人のFWが狙う形もこのパターンで見ることが出来ます。

あるいはスローインでもこのような形はよく見られます。
崩しで使うとなると左図のようになるでしょう。

クサビを受けに降りてきたFWの裏をSHが狙うような形です。

スルーパスとクサビの見合いで見たように、味方のすぐ近くを抜くとパスが綺麗に決まりやすいです。


クロスからゴールするシーンを集めれば、ほとんどがこの形から生まれていることがわかるでしょう。CKからのゴールもこの形から多く得点が生まれることが分かっています。→蹴球計画「CKを好きになろう」


競り合いを抜けてくるボールはDFの意識が剥離しやすく、ポケットのように小さな空白がボールの軌道上に現れる傾向があります。目測と人の意識のギャップを狙って、味方のに飛び込めばチャンスは必ずやってくるはずです。

パスは出し手と受け手の二者関係で成り立っていると考えている人が多いと思いますが、サッカーのゲームにおいては三者関係かそれ以上で成り立っている場合がほとんどです。上で見たように、一つのパスを取ってみても、出し手受け手に加えてもう一人関係したほうが容易にパス交換することが出来ます。

日本では未だ、三者関係というと「第三の動き」だけがフォーカスされる風潮があります。第三の動きやワンツーだけだと崩しが直線的になって相手に読まれてしまうことが多いのです。それではダメだと一言いって終わりたいと思います。

最後にメスト・ウズィル選手の目の覚めるようなパス集をご覧いただきお別れです。


ズィルは中学生の頃、学校の用務員さんにチェスの手ほどきを受けたそうです。そのお陰か、彼のパスは3手、5手先まで読んでいるかのような急所をえぐってきます。羽生名人は「羽生マジック」と言って50手近く読みますが、サッカー選手の場合は3手以上先が読めれば十分な気がします。3手詰めの詰将棋をやりましょう!


次→クロスのトレンド1

関連→味方を追い越してフリーにさせる

2011年1月31日

ポストプレーとポケットプレー2

前回に引き続きFWの選手のポストプレーとポケットプレーについてのやりとりを御覧ください。

・香川が相手陣内でプレーする時、ポケットにすっと入ってきてボールを受ける事が多いよね。そこで自分で前を向くか、誰かに預けてついてきたDFの裏を狙っ たりしてる。ポケットと裏に出来たスペースを効果的に行き来して得点に絡んでいるように見える。

そのとおり。香川は縦のギャップを自分が作ったり、自然発生したスペースに上手に入ったりしてチャンスメークしている。そのサッカーセンスにはあっぱれというしかないよ。

・ドルトムント3トップだけど、4-4-2の2に入ってこのようなシャドー的な動きをするのは全然ありだと思う?


ドルトムントは4-2-3-1でこれは見方によっては4-4-1-1で2トップは縦の関係ととることもできる。つまり、4-4-2でも一方のFWのポケットプレーが有効ならばチーム内でポケットプレーが許されるということになる。アリアリです。

4-4-2の2でポケットで受けるのが得意なタイ人が一人いた。そいつも、ポケット、裏を行き来してた気がする。守備の時もDFにプレスよりもボラを見てた。そういう役割がそいつにはあったな。 

ただし、チームのつなぎ、ビルドアップにおいて横パスが少なすぎる場合、2トップを縦関係にしておくと、ピッチの横の幅をFWがカバーできずに攻撃が組み 立てられない事態が起こる。プレミアの中位以下のチームにこの傾向は強い。2トップを横並びにすることで、FWの横への運動量を分配してバランスのいい選 手配置を志すチームだと、必然的にポストプレーの頻度が高まる。ポケットプレーは中盤のパスワークの上手さがあってボールホルダーに余裕があって初めて可能になるプレーってことだね。

・僕はスペースなんてのは相手DFのちょっと前と、裏くらいしかFWの時意識した事がないから、
ポジショニングの技
っていうのは新しく身につけないといけない要素だと思うんだけど。。。 

これが出来るようになると、意外とスペースってあるなっつう感じになるとおもうし、よりスピーディーにプレーすることが求められる。つまり、サッカーが面白くなるってことです。

それと香川を見ていてきづいたことなんだけど、彼は抜けてくるパスを狙うのが非常に上手い。どういうことかというと、先日のクサビとスルーパスの見合いで 紹介したポストプレーヤーを追い越す動きのこと。香川はクサビが他の選手に入りそうになると、必ずそのポストプレーヤーの近くを通るようにして、クサビのパスの進行方向とクロスするように動く。そこにボールがこぼれてくることをあらかじめ予測しているような動きをする。

今思った。MFがシュートすると思ったとき、出来るだけここにキーパーがこぼす、と予想して飛び込んでいく。この能力は他の外人やタイ人より高い と思ってるんだけど。この能力をもっと低い位置で使えばいいのか?つまり、あいつにクサビが入ってここにこぼれる、という予測をするということ。 

例えばクロスに合わせる時もそうなんだけど、ドルトムントでは常にバリオスというファーストターゲットがいて、香川はそのバリオスの裏に走りこむようにする。すると、クロスがズレたとき香川がボールに触れる。このときバリオスが囮になるためDFは香川へのマークが疎かになる。常にファーストターゲットの裏に走りこむ香川は、「このへんにボールが転がってきそうだな」っていう感覚が鋭いと言える。練習したり観戦したりするときもこのボールの動きを意識できるかどうかは雲泥の差だと思う。

裏を狙う動きについてもこれから書くつもりだけど、簡単に説明する。裏を狙うかあるいは足元で受けるかの判断はDFの動きを基準にするといい。 DFが足元を狙っていれば出し手と受け手は裏を狙う、その逆もしかり。たまに、出し手と受け手の意思疎通が上手くいかずスルーパスが通らないことがあるけど、どっちが悪いかの判断はその時のDFの動きを基準にするといい。出し手も受け手もDFの動きに合わせてプレーの選択をすれば理論上、意思疎通が取れないことはない。まぁ難しいけどね。

最後にビジャとボージャンについて。Aにとってはビジャの動きはかなり参考になると思われる。体が小さい、スピードがある、ポケットポジションからワンタッチプレー、そしてポケットポジションでのポジショニング動作から裏を狙う動き。あれだけパスが回るチームだからってのもあるけど、動きの質は高いよね。

反対にボージャンは身体的特徴はビジャに似てるけど、率先してポストプレーポジションに入る。ワンタッチで出し手に落とすけど、DFは全く崩れない。とても非効率な動きをしていると言わざるをえない。ポストプレーに向かない選手が率先してポストプレーをするとどうなるかという悪い意味でいい例だと 思う。

まぁバルサばっか見ててもあんま参考にならんかもね。あんなサッカー出来るチームは他にないわけだし。プレミアの中堅か下位チームを見るほうがいいかも。スパーズのデフォーもいいよ。でもプレミアのFWはみなガチムチだからダメか。チビFWがいて4-4-2でリーグ中位以下っていっても思いつかなんだよな。

あとはFWがフリーで前向きにボールを受けたら、そこには必ずDFが近づけなかった理由があるはずだから、そういう場面に注目して観戦するといいかも。常に疑問を持って観察することで見えてくるもんがあるもんだよ。

プレミアの中堅下位は見ていて窒息しそうになるね。
上位チームと対戦する時のテベスとかならいい見本になるかな

タイのリーグは観たことないけど、きっとJに似てスピードある選手が多いんだろうな。意外とヒントはJリーグに隠されていたりして。

次→FWの動き 差金の動き


2011年1月11日

クサビとスルーパスの見合い1(スキップスルーパス)

「崩し」の基本はDFを騙すことです。パスするかしないか、ドリブルするか止まるか、右か左か、そういう2択を迫ることで攻撃は進んでいきます。今回は手前かの2択をDFに迫ることで可能なスルーパスの出し方を解説したいと思います。

簡単に説明しますと下の図のようになります。かなり単純化されてますが笑。



 水色は攻撃側、オレンジは守備側を表しています。

要はクサビを受けに降りてきたポストプレーヤーの左右を抜くようにあるいは頭上を越えるようにパスを狙おうというものです。

ポイントはクサビのパスを出すタイミングでそのままキックし、少し角度を変えてスルーパスを狙うことです。クサビのパスフェイントをしてから一度持ち直し、タイミングを遅らせて狙っても意味がありません。そのため、同じ予備動作から角度を変えるキックの技術が必要です。


では実際の状況に少し近づけてみます。

左図にDFの選手AとOFの選手Bを登場させました。ボールホルダーをCとします。

Cがクサビのパスを狙うとき、ポスト役とそのマーカーはボールに寄ります。こういった動きとCのキック動作によって、Aはクサビのパスが出ることを予測します。

クサビのパスが通る状態、すなわち誰もそのパスをインターセプトできず、かつDF陣がポストプレーヤーを囲いに行けない時、周辺のDF達は次にポストプレーヤーが何をするか観察します。

クサビのパスはポストプレーヤーを後ろ向きにプレーさせる性質がありますから、このときAはポストプレーヤーの体の正面側のスペースに注目して観察するわけです。このとき瞬間的にAがボールウォッチャー状態に陥ります。



このタイミングでBは縦に動き出します。ポストプレーヤーの脇を他の選手が縦に抜ける動きはポストプレーヤーを助ける役目もあります。それについてはくわしく別の項にまとめます。追記→「味方を追い越してフリーにさせる」

Cは上記の角度を変えるパスで裏を狙います。ポスト役の選手が寄ってきた瞬間にこのパスのイメージができなければ、裏にボールを蹴れません。日々のイメージ訓練が必要です。

Cがボールをキックした直後からボールがポスト役の選手を通過するまで、守備者Aはこれがスルーパスだと気付きません。なぜならボールはキック直後ポストプレーヤーへ向かって動くからです。Aの位置からだとボールの軌道がわかりづらく、僅かな遠近感の狂いでスルーパスに気付くのが遅れてしまいます。

この一瞬だけAの意識をBから引き剥がすことができればスルーパスは成功します。最低でも、Cがキックするまでに、Aが後方への全力ダッシュを始めなければ、かなりいい線行くと思います。

ではここで参考動画をひとつ。リケルメのプレーから。彼のスルーパスの中でも個人的に一番印象に残ってるものです。5:13からです。


縦パスを足元で受けようとしたサビオラを囮に使った美しいパスです。サビオラはこのパスに反応して足を伸ばしています。味方すら騙すパスであれば敵が騙されてしまうのも仕方ないことでしょう。

この現象は日常生活でもよくあります。誰かが自分に向かって手を振ったので手を振り返したら、そのひとは本当は自分の後ろにいる人に向かって手を振っていて、小っ恥ずかしい思いをすることと似ています笑。

この形で通るスルーパスはプロの試合でよく見られます。スルーパスが成功するときのに注意しながら観戦すると自分のプレーの幅を広げられるかもしれません。

続き→クサビとスルーパスの見合い2

クサビとスルーパスの見合い2

ちょっと前回の引き続きでクサビとみせかけてスルーパスを出すプレーを考えてみます。このプレーは4-4の2ラインを敷いてブロックを作る守備に対して非常に有効なので覚えておくとお得だと思います。



前回の単純化した図よりもっと実際的な状況を下に図にしてみました。フットサルをイメージしてみました。
 左図のような選手の配置は(アマチュアレベルであれば)よく起こると思います。

水色が攻撃側、オレンジが守備側です。

左図のようにクサビを狙う動作からスルーパスを繰り出したときのDFの動きなどを書いていきます。







 まずピヴォが受けに行きます。このとき、クサビを受けられる状態であり、DFの意識を引き付けられば、ボールに寄っても寄らなくてもどっちでもいいと思います。









 ボールホルダーのキックモーションとともにDFの意識がピヴォに集まります。

この瞬間ピンクの楕円で示した範囲に守備陣の意識が向かいます。オレンジの線はDFの視線や意識を表しています。この楕円は次に起きるであろうピヴォ(水色)とフィクソ(オレンジ)の攻防の範囲を示しています。

ポストプレーからの展開は大まかに分けて1ターン、2キープ、3後ろや横への展開またはフリックパスぐらいなものです。だからDFはこのピヴォの予備動作から次の展開を予測しようとするわけです。


ボールホルダーがキックをしてボールがこの攻防の中を通過しようとすると、DF陣の注意は更に強く楕円内へ向けられます。









しかし、このキックの真意はスルーパスであったためDF陣は後手を踏む結果になります。

出し手に近いDFはこのパスの軌道を読み違える可能性は低いですが、受け手に近いDFほどパスの軌道を読み違えやすいという意味でこれは非常に狡猾なプレーです。

狭いスペースでも有効です。味方の足元を抜くようにして、更に奥にいる選手へパスを狙うことでスルーパスの成功率がアップします。


実際の11人制サッカーでもそんなに珍しくないシーンなので、このパスのトレーニングをすることは無駄ではないと思います。

プロの試合を見ていると、果たして出し手が意図的にこういうプレーをしているのかどうかよくわからないところがあります。結果的にボールが味方の近くを通過しているようにも見えます。一つ言えるのは、上記のピヴォのようにボールに触れなくてもDFの注意を引きつけるだけでチームに貢献できることがあるということです。


キックミスによってこの種のスルーパスが通ることも多々あります。クサビのパスがずれてDFラインの裏に抜けたら、たまたま味方が走っていたというようなシーンです。先日の日本代表ヨルダン戦の前半、香川がGKと1対1を作ったシーンもそんな感じでした。内田は明らかにワンツー狙いであのパスを放ってました。

いずれにせよ、こういう形で裏に抜けるパスをDFが予測することは非常に難しいと言えそうです。なぜならこのパスは守備の集団的意図の裏をかく行為だからです。クサビのパスは守備側にとって絶好のボール奪取機会です。ポストプレーヤーに直近のマーカーだけでなく周辺の選手の守備意識も集中します。ついついクサビの目標地点に意識がいってしまうから、他の相手選手へのマークが甘くなってしまうのです。

このパスを意図的に成功させるためのポイントはイメージ力です。ボールを前向きでフリーで受けてクサビのパスコースが見えたとき、瞬時にその奥にいる選手の動きを視認し、2つ目の選択肢を想像できるかどうかなんです。

次→重なったら一つ飛ばす

2010年10月25日

ワンツーいろいろ1




今回はいろんなワンツーを紹介します。

と言っても左の4つだけなんですが。











上の図のように2対2の状況を突破せねばならないとします。

青が攻撃側、黄色が守備側です。





普通にワンツーというと左のようになります。

右の青の選手に対して右の黄色の選手が喰いついてきたときはかなり有効です。

逆にDFに裏のスペースをカバーされていたり、パスアンドゴーで動いたときに憑いてこられると成功しづらくなります。

パスのスピードと受け手のコントロールが良ければ守備が良くても突破できることがあります。


左のワンツーは僕が勝手に表のワンツーと呼んでるものです。上のワンツーが裏を狙うものだとしたら、左のワンツーは表を狙うという意味です。

パスアンドゴーで動き出したら、裏のスペースを埋めるために走るDFの前に進路を取り、入れ替わるようにしてDFの前でボールを受けます。

パスの質が悪いとDFを出し抜けずに終わる可能性が高いですが、コントロールが上手く行けば突破が可能です。出し手と意思疎通をすることが不可欠です。

このワンツーはサイドの崩しにおいて有効です。



次は縦の関係を考えてみます。

左の状態では下の選手から上の選手にパスが出ないので上の壁になる選手はパスコースを作るために動く必要があります。
左図では壁になる選手は左に動きました。

すると薄い円のところにスペースができます。

下の選手はこのスペースを使うように飛び出してワンツーを狙います。
完成です。

このワンツーでは壁になる選手に技術力が求められます。ワンタッチで体が向いていない方向に正確なキックをしなければならないからです。

動いてスペースを作るため、混雑した狭いスペースで非常に有効です。特に中央で相手の最終ラインを突破する際など。

壁の選手には背中で作ったスペースを使うイメージが必要です。
では次は僕が縦のワンツーと呼んでいるモノの紹介です。

始めの形は先ほどと同じです


縦パスを入れた後、始めのボールホルダーが横にズレて、そこに壁から落としをもらうというプレーです。

始めのボールホルダーに時間とスペースを与えるためのプレーです。これによってDFの守備意識をズラして、味方に前向きでフリーの状態でプレーさせることができます。

このあとはミドルシュートか長めのパスを狙うといいでしょう。なぜならこのワンツーのおかげで周りのDF達の意識がボール周辺に集まってくるからです。収束するDFの裏をかいて広げてあげると、次にボールが渡る味方を楽にさせてあげられます。

普通のプレーですけど、正確に行うのは意外と難しいですし、上手に出来れば次の展開を楽に行なえます。

ここに素敵なお手本動画を貼っておきます
動画消されてるんで、youtubeで「barcelona tiki taka」で検索してみてください



次→ワンツー色々2