現代サッカーではスペースを与えてもらえません。ボールを中心にフィールドプレーヤーが寄って集まることで、一人ひとりの距離が近くなっているからです。
上空からピッチ上のある一瞬の写真をとればそのように写るでしょう。しかし、ピッチ上では時間が流れ選手たちは常に動いています。走っているのです。
走るということはスペースが作られることです。走るという行動はスペースが生まれるという現象を含んでいるのです。走り続ければスペースは生まれ続けます。ピッチ上の22人がスペースを求めて絶えず動き回ることで、ピッチ上には絶えずスペースが生まれつづけているのです。
まるで、宇宙空間で消滅と生成を繰り返す星星のようですね。。。
「ないない、スペースもパスコースもない」と言ってつなぐのをあきらめる前に、スペースの見つけ方の工夫をしてみるべきです。
ここでは簡単な例を見ながら、各選手が「走る=スペースの生成」ということをどのように意識しているか考えていきます。
↓BがFW、A,CがMFとします。
B:空いているスペースに走りこんでボールを受けようとします。このときに走りながらマーカーがついてきていることと、自分の背後にスペースを生んでいることを意識します
A:ボールホルダーのAはBが前方に走るのを確認して、その背後にスペースが生まれるということを予測し、そのスペースに入り込むCを見つけてパスを出します。
C:Bが前方を走るのを見て、その後ろのスペースを活かせればチャンスを作れるという意識で、タイミングを見計らって走りこんでAからパスを要求します。
俯瞰してみるとなんでもないプレーですが、選手たちはこのように考えて走っているのです。
走る選手の背中には活用すべきスペースとパスコースが生まれます。周りの選手が、走る選手を見た瞬間にその背後のスペースを使うイメージが持てれば、かならず相手のDF陣に対して先手を取ることができます。
ただし、走ることで生まれたスペースは敵チームにとって危険なものなので、すぐに消されてしまいます。活用できるタイミングを逃さないことが大事になってきます。
走るという至極単純なプレーが敵チームの脅威になるのです。しかし、このプレーを実現するにはボールに絡む数人の選手の意識が統一されていないとなりません。そういう意味では非常にレベルの高いプレーとも言えます。
一人が走り出せば、パスコースは2つに増えるということを理解してプレーが出来れば、オシム・ジェフ千葉のようなムービングフットボールが展開できるはずです。
次→考えて走る3 走り続ける
0 件のコメント:
コメントを投稿