footballhack: 2010/11

2010年11月15日

ミクロつなぎ論4 横横縦あるいは縦縦横

以前「マクロつなぎ論4 広い面積を使う意識」では、パスをつないで攻撃するときは、そのパスで広い面積をカバーするようにボールを動かし、DFが守備陣形を収束しようとする意識の裏をかくことの重要性を説きました。

今回はその具体例と一人のプレーヤーとしてピッチにたった時の意識を考えていきます。

横横縦あるいは縦縦横とは、簡単にいうと

横パスが二回つながったら、次は縦パスを狙う

または

縦パスが二回つながったら、次は横パスを狙う。

ことを言います。

これを実践するために必要なのは、自分にボールが巡ってくるまでの軌跡を意識することです。ボールの足跡を記憶するとも言い換えられます。

このことは今回のつなぎ方に限らず、つなぎ全般に関して言えることですが、ピッチ上のどのゾーンをボールが移動しているかを意識することは、相手の守備陣形を崩すために重要なポイントになります。

では、具体的に図であらわすことにします。↓

GIFアニメーションです

とこのように3回以上同じ方向にボールを動かすことは避け、途中でボールの移動方向を変えてやることで、相手を欺くことができます。


↓の動画はW杯やリーガエスパニョーラから抜き出しました。横横縦あるいは縦縦横のパス交換は具体的に以下の例で役立ちます。



・横に2回パス交換をしてから縦へクサビのパスを入れる

・楔パスからの落とし(縦のワンツー)から横にはたくことでサイドの選手をフリーにする

・平行にボールを動かして守備意識を引きつけてから裏を狙う


こういったつなぎのイメージを持っていると、正しい方向に意識が向き、正しい方向への視野が確保されます。最初の選択で相手の裏をとることで、その対応に追われる相手DFは余裕がなくなりますし、自分には余裕が生まれてきます。このような小さな駆け引きの積み上げがチームとしてのゲーム支配につながるのです。




2010年11月13日

観る3 視野確保の5W1H その1

■便利な言葉”戦術眼”

今回からいい視野を確保するために5W1H方式で観ることについて考えていきます。そんなことをいちいち言わなくてもセンスのいい選手は自然に観えているわけなんですが、ここからの話は下手な選手や指導者向けと考えてください。

「見ろ」とか「首を振れ」とか「顔を上げろ」とか言ったところで、選手自身が何を見たらいいのか、何の情報を得たいのか分かってなければ、ピッチ上のパフォーマンスを上げることは出来ません。 顔を上げて頭の中に“画を入れた”からといって、次の展開のイメージが出来なければ、良い判断につながるとは限らないんですね。これは顔を上げてるのに観えてない状態です。

観るという行為において一番重要なのはやはりイメージ力であり先読みする能力であり、総じて戦術眼ということになってしまうのです。このように複雑な事象を一言で言い表せる言葉はとっても便利なんですが、無知な少年少女に対しては説明の役に立たない謎の言葉です。

ということで、指導者としては何を見たらいいのかという問題について明確な回答を持っていなければなりません。今回はその回答になりうる考え方を5W1H方式に沿って考えていきます。


■5W1H

5W1Hとは(いちいち説明するのも野暮ですが)

いつ
何を
だれが
どこで
なぜ
どうやって

の6項目を簡潔にまとめることで起こった出来事を正確に伝える作文技法です。

サッカーの視野の確保を考える上で上の項目を少しアレンジします。


いつ(タイミング)
何を(対象)
どこを(方向)
誰と(協調)
どこで(ポジショニング)
なぜ(動機)
どうやって(方法)

上記の7項目に沿って考えます。


■いつ見るか
いい視野の確保実現するために最も重要な意識は、いつ(タイミング)、どこを(方向)見るかです。この二つがきちんとできれば、良い判断をするための準備は自ずと身についていくはずです。どこを見るか知ることはサッカーを知らないと出来ません。戦術眼を身につけるために長い時間を要します。いつ見るかということはトレーニングで明日からでも意識付け出来ます。よって個人的に一番重要視しているのがこの観るタイミングです。

周囲を観るということは一時的にボールから目を離すということです。サッカーではボールの行方
が一番重要ですから、ボール周辺の攻防から目を離すことはリスクを伴います。このリスクが少ないタイミングを見極めることが最初のステップになります。なるべくボールの行方を見失う可能性を軽減した状態で周りを見ればいいということです。

ボールの行方が確実に予想できるタイミングというのはボールの移動中です。基本的には選手間をボールが移動している間に首を振ればよいということになります。突風の吹き荒れる日や荒れた土のグラウンドではそうはいきませんが。 選手間のパス、ロングボールの滞空中、自分から離れた位置でのルーズボールなど、選手がボールに触れていない時間にボールが勝手に進路を変えることはありません。

また、ボールの行方が確実に予想できるタイミングとして、ゲームが安定している状態が挙げられます。ゲームの安定不安定についてはこちらの記事をどうぞ↓

マクロつなぎ論 安定不安定その1
マクロつなぎ論 安定不安定その2

味方あるいは敵がボールを確保していて、攻守の切り替えが起こらないと予測できる時や、しばらくはボールホルダーがボールを離さないと判断できるときも、首を振るタイミングと言えます。

○ボールが来る前に3回観る



実戦を考えます。左の図のように3人の選手がパス交換をして、A→B→Cとボールが渡るとします。この時、自分がCの選手だと仮定します。

Cまでボールが渡る間に、Cが首を振って周りを観るタイミングは3回あります。

①A→Bへのパス中
②Bがトラップした瞬間
③B→C(自分)へのパス中



③BからC(自分)へボールが移動中
このなかで最も重要なのが③の時です。なぜなら、Cは次に良いプレーをするために正しい方向にプレーすべきで、そのためには正しい向きにトラップ(あるいはパス)をしなければならないからです。③の時の首振りで得られる情報は時間的に直近であり、次の一手を探る最も重要な手掛かりになります。

こう言うと語弊がありますが、プレー(判断)の決定はできるだけ遅らせたほうがいいです。言い換えるならば、プレーの決定は直前まで変えられるようにすることが理想です。なぜなら、敵に自分のプレーを先読みされた場合、攻撃が成功しないからです。そのためには敵の出方を伺う必要があります。ですから、③の時に得られる情報が一番ホットであり、価値があるのです

■②や①の時の首振りは③の首振りの準備の為に行われるべき
①AからBヘボールが移動中
この時すでにC(自分)にパスが回ってくるとういう予測ができるので、いいポジションを取れるように準備しながら、ざっと周りを見渡します。自分がどこにいるか、敵味方のおおよその配置などを見える範囲で見渡します。この時はすぐに自分にボールが来る状況ではないので、かなり余裕を持って周りを観ることが出来るでしょう。

この時に見つけたフリーの味方は、自分にボールが回ってくる間にマークに憑かれてしまうことを頭に入れなければなりません。よくある事例として、指導者が早い判断を選手に促すが故に、選手に早い段階でフリーの味方を見つけなければという強迫観念を植えつけてしまうことがあります。ボールの移動中に選手達はポジションを修正していることを考えれば、早過ぎる情報収集がまったく役に立たないことはわかるはずです。こういった指導者主導、言葉主導のコーチングが盲目パスをする選手や判断が悪く先読みできない選手を増産することになります。憂うべき事態です。

まとめですが、①で重要なのはポジショニングと体の向きを整えることであり、次の段階として望ましいのは、このとき入った”画”から3秒後の世界を想像することです。

②Bがトラップした瞬間
もしBがワンタッチでパスを送ってきたらこのタイミングで観ることは出来ませんが、大抵は2タッチ3タッチでプレーをするので、②のタイミングで首を振る習慣をつけることは価値があると言えます。

この時考えるべきは、③の時にどこを観るか決めることです。プレー方向をこの段階である程度固めておきます。③の時に良い情報を得るために、③の時には見ないであろう方向を確認する場合と③で子細に状況を見極めるために同じ方向を見る場合と2通りあります。

以上説明した通りに、ボールを受けるまでに最低3回の首振りが出来ていれば、かなり余裕を持ってプレーできることは請け合いですし、ボールを奪われる可能性も低くなります。

いずれにしても事前の首振り次第でボールを受ける直前の首振りで得られる情報の密度が変わることを考慮にいれるべきです。そして、直近の味方がボールを持っている時やボールを受ける直前の首振りが最も重要なのです。

次→観る4 視野確保の5W1H 方向

音楽、リズム、ドリブル

(2拍子+3拍子)÷ドリブル=独特のリズム そんな話をひとつ。

メッシのドリブルに関しての一連の記事の中に、独特のリズムとはどうやって生まれるかについて書いたものがありました。(メッシのドリブル3-1 独特のリズム)今回はそれの補足です。

タンウンタンウンタンウンタタンウンタンウン

これはメッシが緩急とリズムの変化をつけて、敵を抜き去るときの左右の足の着地音を表したものです。これをさらに詳しく説明するとこんな風になっているのではないでしょうか。↓

タンウンタンウンタンウン タタン ウンタンウン
|←   2拍子   →|3拍子|←2拍子→|

つまり太字の切り返しの時に3拍子3連符が正しい言い方ですが)になってるんではないかという話です。



■2と3の切り替え

話は飛びますが、2歩1触のドリブルを素人にやらせようとすると、左右の足の着地間隔が不均衡になり

タッカタッカタッカタッカ

のようになってしまいます。これはボールを蹴ることに慣れていないため、蹴り足がボールに触れることを意識しすぎてしまって、蹴り足の着地が遅れるためだと考えられます。一種のリズムの訛りが生まれます。そしてこれはヒトが球を転がす原点であり、「自然なドリブルの姿」のように見えます。

しかし、このままでは2歩1触で自分の意のままに旋回したり、速いドリブルは出来ません。出来る人もいるだろうけど。

試合で2歩1触の高速ドリブルを相手に御見舞いしたい場合、この訛りを矯正して

タンウンタンウン

としなければなりません。ここが2歩1触の第一ハードルなわけなんですけど。つまり、ボールなしで普通に走るときと同じように、左右の足の着地間隔をなるだけ均等にしてドリブル出来れば、スピードに乗ったドリブルが可能になるのです。全速力の7割程度の速度で出来るようになれば立派な運び屋になれます。

だけど、これだけではドリブラーになれません。敵を抜いていくことが出来ないんです。敵を抜くには変化が必要です。それがリズムの変化です。リズムを変化させることで結果的に速度と方向が変化していきます。どう変化させるかというと

タンウンタンウンからタタンタッカあるいはンタタと変化させます。

どれも3拍子(3連符)ですね。ちなみに3連符とは1拍の間に3度刻むことです。タタタ

変化というか元に戻すだけなんですけれど。初めに出来たこと(タッカ)を一度矯正して(タンウン)また元に戻す(タタタ)。

2拍子と3拍子を意図的に切り替える事が出来れば、スピードに乗ったドリブルと目の前の敵を打ち負かすステップワークが両立します

このイメージを持っておけば、フェイント動作の鍛錬時に筋肉に頼らないスムーズな身体操作を身につけられるのではないかというのが持論です。

例えば下の動画のビジャなら、 タンウンタンウンタッカタンウンタンのように抜いていきます。


切り返し直前に軸足を引きずるように2度着きしているステップを厳密に擬音化するなら、
タンウンタンウンタツッカタンウンタンとなります。


ちなみにメッシの2ステップ(詳しくは今後ビデオを載せる予定です)の場合

タンウンタンウンタッカタンタウンタン

のように抜いて行きます。メッシは切り返し動作に入る直前にステップワークがとてつもなく細かくなることがあります。敵の狙いを半拍ズラしてすり抜けるような。



他にもタタンタタンとかンタンタッカとかステップワークを変化させるだけで無限にフェイク動作のバリエーションが生まれます。

2拍子のままでもスピードを活かせば抜いていくことが出来ます。が、2拍子のまま方向を変化させると過度に筋肉を使うことになり、結果的に動作自体が遅くなることがあります。故障の原因にもなりかねませんので筋肉系選手以外にはオススメできません。

子供にフェイク動作を教えるときは動作の大きさや速さだけを言及するより、上記のような音やリズムを用いて指導すると、直感的に伝わるかもしれません。

「ここはタタンと行くんだ」とか「タッカタンって感じでちょっとタメるといいよ」とか


■民族音楽:複合リズムとドリブル

それで音楽についてなんですが、世界中に広まった音楽の起源は元々はアフリカ大陸にあるらしいのです。人類の祖先が元々は一つで、アフリカ大陸からヒトの祖先達が世界中に移動していったことを考えても納得出来る事実だと思います。

このアフリカの音楽の根底をなすリズムは何かと言うと、です。アフリカ源流のリズムは3拍子が基本なのです。3拍子の音楽は祭事に用いられます。二足歩行をする人間が自然に生み出せないリズムとして、3拍子は神様を地上に招くときに奏でられたと言われたとか言われないとか。

以前の記事にも書いたように、アフリカだけでなく現存する多くの民族音楽では3拍子あるいは3連符のリズムが用いられています。 中には2拍子と3拍子を曲中に入れ替えるものやポリリズム(複数の奏者が違うリズムを演奏する)といったものまであります。初めからドリブルのリズム変化に親しみやすい音楽が海外では奏でられていると考えることも出来ます。

近い将来、アフリカ出身でとんでもないテクニックとフィジカルを備えたストリートサッカー出身のスターが現れるんじゃないかと妄想も膨らみます。

一方、日本の伝統音楽の基調となるリズムは2拍子でモノリズム(複数の奏者が同じリズムを奏でる)と言われていますが、民俗音楽である祭囃子や民謡などではハネたリズムいわゆるスウィングが用いられます。ドッドドッドドッドドッドという和太鼓の合奏などが良い例です。これもいわば3連符の仲間です。日本人は祭囃子や民謡に親しむことで、ドリブルに独特のリズムが出るようになるかもしれません。

日本人のサッカー少年少女達には是非将棋と和太鼓を習ってもらいたいと強く思います。

こんな風に考えていると、ブラジル→サンバ→ジンガ→ステップワーク→ドリブルのような関連性が少し見えてきて面白いです。


はじめに戻りますが、「自然なドリブルの姿」をそのまま維持してプロ選手として活躍するのがロナウジーニョ・ガウショであり、メッシであり、香川真司です。特にロナウジーニョはスピードに乗った直線的なドリブルをする際でさえ、ステップワークの訛りがありますね。



観る2 人体構造上の不可能性

今回は視野角とか有効視野といった観点から、視野が広い選手になるにはどうすればいいか考えます。


まずは下の引用から。





こちらのサイトで拾ってきた資料です→安全運転のポイント

一番目の図から分かることは、人間の視野は前方200度まで広がっているが、実際に事物を認識出来る視野角(有効視野)は前方70度ほどに狭まってしまうと いうことです。サッカーではまず、敵味方のユニフォームの色を認識する必要があります。さらに敵や味方の顔や姿勢を確認することも重要です。それを考えると、顔の正面から向かって真横の局面を間接視野だけで子細に判断することは難しいと言えます。有効視野が前方70度に限られるという感覚は経験者なら納得 出来る数字ではないでしょうか。

二番目の図は注視点から水平方向に角度が広がるほど視力が落ちるということです。わずか10度反れるだけで視力が10分の1にまで落ちてしまいます。観察するという点において間接視野はあまり当てにならないということです。


加えて移動中の視野、動的視野は上のデータよりも低くなります。速い速度で走ったりドリブルしている最中はさらに有効視野が狭まることを頭に入れなくてはなりません。


この有効視野角が人によって大きく異なるということは考えにくいです。詳しいデータはありませんので憶測の話ですが。多少は違えども、プロ選手とはいえ真横方向を間接視野だけで、注視したときと同じように認識することは不可能でしょう。

見えない方向にプレーすることはミスをする可能性を高めます。確実にプレーするには見えている方向にプレーすることが重要です。つまり、サッカーでは選手は顔の正面方向に向かってプレーするということが大原則になります。顔の正面は多くの場合身体の正面でもあるので、サッカー選手は体の正面方向にプレーすると言い換えることも出来ます。攻撃の選手も守備の選手もこの原則に従って動いています。


それゆえ、視野を広くして周囲の状況を把握するには首を振ることが不可欠になります。首をふるということはボールから目を離すということです。ボールから目を離すタイミングと観るべき方向については次の記事から書いていきます。



■ヘリコプタービューは実現可能か

ここで前回記事にした「ヘリコプタービュー」 について考えます。人間の視野が前方70度に限られるということを前提にすると、「ピッチを上から見た」ようなプレーをその言葉に忠実に実行するには、同時に360°方向を見渡す為に常時5回以上首を振らなければなりません。いくら頻繁に首を振ったからといって体を反転させたり捻ったりしなければ後方は見えません。これではプレーに悪影響を与えてしまいます。刻一刻と状況が変化するサッカーの試合でピッチ全体をくまなく見渡すことはまず不可能で、見えないエリアの動向は想像する他ないことになります。

そもそも一選手がピッチ全体を把握できなければならないのでしょうか。

視野が広いと言われる選手の代表にフランスの英雄ジネディーヌ・ジダンがいます。僕は彼がピッチ全体を見渡したようなプレーをしているところを見たことがあ りません。ヘッドダウンし、ほとんど体の正面方向にしかプレーしません。加えてショートパスを多用します。プレーエリアが比較的狭く、局面を広げることを避け、時折みせるサイドチェンジのパスよりも近い味方との連携を好んでいる印象を受けました。しかし、彼は限定された局面が良く見えていました。狭いスペースでも驚くような局面打開をする術がありました。


もう一人視野が広い選手で有名なのは日本の英雄中田英寿でしょう。彼のインタビューで覚えているのは、“調子のいいとき”はピッチを俯瞰し たような視点を得ることができる、という言葉です。あの中田英寿でさえ“調子のいい時”にしかヘリコプタービューを得られないのです。いわんや普通の選手では無理でしょう。

つまり何が言いたいかというと、こういった言葉先行の伝達手段では本当に「視野が広い」選手を育てることは出来ないだろうということです。ジダンのようにピッチ全体を把握できなくても良いプレーをすることは可能なのです。

「なんだぁ。ピッチ全体を見渡せなくてもいい選手になれるんだ」
そう思えれば、気持ちに随分余裕が生まれてきませんか?


■視野が広い選手とは

個人的に視野が広いと感じさせる選手は元クロアチア代表のアサノビッチや元スペイン代表のグティ・エルナンデスです。彼らの共通点は体の真横方向にプレーができる点です。ボールを持った姿勢から は通常予測できない方向へ易々とミドルレンジのパスを通してみせる彼らのプレーは「視野が広い」という言葉がぴったりです。




では本当に視野が広い選手とはどんな選手でしょう。それは観るべき方向、タイミング、対象、位置、方法が正しい選手です。加えて先読みができて次の手や次の次の手をイメージできる選手です。次からその辺について書きます。

追記 サッカーにおける視野について非常に興味深い論考をみつけたので、リンクをしておきます。
→Tarsees Trainer アスレティックトレーナーの基礎知識 「スポーツビジョン(サッカー)」

次→観る3 視野確保の5W1H その1

2010年11月9日

観る1 視野が広いってどういうこと?

サッカー関係者がよく使う言葉の一つに『広い視野』というものがあります。サッカー以外でもこの言葉は使われます。先々の展望を思い描いたり、他者の動向を把握した上での行動決定に対して、「君は視野が広いね」なんて使われたりします。

サッカーにおいては、端的に言うなら、ピッチを俯瞰して見ているかのようなプレーに対して、この「視野が広い」という言葉が使われます。 ヘリコプタービューとか背中に目が付いているようなプレーなどとも言われます。

じゃあ実際、視野が広いと言われる選手はなぜ視野が広いのか、という質問をサッカー解説者や指導者に投げかけたらどんな答えが返ってくるでしょうか。

きっと、「次に起こるプレーが予測出来ている」とか「よく首を振っている」とか「ボールを見ずにプレー出来ている」とかそんなところでしょう。

サッカー経験の浅い人達(少年少女や一般愛好者)はこれで納得するでしょう。

上記の方々が簡単に納得してしまうほど、この言葉には一言でカタがつくような不思議な説得力があります。熟練者でないと分からない専門用語のようなものだからです。前の記事に書いたドリブルにおいての『独特のリズム』もそういう種類の言葉です。

しかし、 騙されてはいけません。

この「視野が広い」という言葉は、解説者や指導者が説明できない現象に対して、あたかもわかった風なコメントを残すための逃げ道であり、これを言っておけばさも尤もらしく聞こえるだろうという、発話者自身の驕りの表れに過ぎないのです。

ちょっと話が過激になりました(反省)。時には会話上この言葉を使わざるを得ないこともあります。この言葉をタブー化するべきとかではなく、自分なりにサッカーにおいて視野の問題について考えたことを連投する前に、問題だと思われる”サッカー専門家”の言動について一言綴ったまでです。

この観るシリーズでは視野の広い選手になるためにはどうすればいいかということを掘り下げて考えていきます。観ることについて5W1Hに沿って考えることで、ピッチ上の選手のプレー感覚の向上に役立てたらいいと思います。



次→観る2 人体構造上の不可能性