サッカーにおいては、端的に言うなら、ピッチを俯瞰して見ているかのようなプレーに対して、この「視野が広い」という言葉が使われます。 ヘリコプタービューとか背中に目が付いているようなプレーなどとも言われます。
じゃあ実際、視野が広いと言われる選手はなぜ視野が広いのか、という質問をサッカー解説者や指導者に投げかけたらどんな答えが返ってくるでしょうか。
きっと、「次に起こるプレーが予測出来ている」とか「よく首を振っている」とか「ボールを見ずにプレー出来ている」とかそんなところでしょう。
サッカー経験の浅い人達(少年少女や一般愛好者)はこれで納得するでしょう。
上記の方々が簡単に納得してしまうほど、この言葉には一言でカタがつくような不思議な説得力があります。熟練者でないと分からない専門用語のようなものだからです。前の記事に書いたドリブルにおいての『独特のリズム』もそういう種類の言葉です。
しかし、 騙されてはいけません。
この「視野が広い」という言葉は、解説者や指導者が説明できない現象に対して、あたかもわかった風なコメントを残すための逃げ道であり、これを言っておけばさも尤もらしく聞こえるだろうという、発話者自身の驕りの表れに過ぎないのです。
ちょっと話が過激になりました(反省)。時には会話上この言葉を使わざるを得ないこともあります。この言葉をタブー化するべきとかではなく、自分なりにサッカーにおいて視野の問題について考えたことを連投する前に、問題だと思われる”サッカー専門家”の言動について一言綴ったまでです。
この観るシリーズでは視野の広い選手になるためにはどうすればいいかということを掘り下げて考えていきます。観ることについて5W1Hに沿って考えることで、ピッチ上の選手のプレー感覚の向上に役立てたらいいと思います。
次→観る2 人体構造上の不可能性
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