DFの集団意識とはなんでしょう。
一つは集団的意図と呼べるものがあります。守備の意図、チーム内での守備の戦術のことです。
もうひとつは、集団的無意識というものがあります。集団で居るからこそ自然発生する意識のことです。
今回は後者の集団的無意識を利用する攻撃法を考えます。
DFは常にチャレンジとカバーの法則で動いています。ボールホルダーにひとりマークをつけ、他の選手は自分のマーカーを見ながら、ボール際の戦況を見極めるために、カバーリングのポジションを取ります。そのために、守備者全員がボールホルダーの方向に体を向けて、ボールサイドの戦況を見る必要がでてきます。これが、サッカーのマンツーマンディフェンスがバスケットボールのようにならない理由です。
当然ボールが動けば守備側の選手たちはポジションを変えねばなりません。このとき、ある法則が生まれます。
ボールが一定の方向に長い距離移動した場合、守備者たちはそのボールの移動先に向かって集まる
というものです。
どういうことかというと、↓
(横パスを流れで続けると、4番目の受け手は厳しいマークにあう)
ボールが長い距離移動した場合、守備者たちは無意識にこう予測を立ててしまうのです。「この後もボールは進行方向に向かって動くだろう」
これを逆手にとって、途中でボールの進行方向を変えてやることで、相手のDF陣を欺くことができます。
具体的にはどうすればいいかというと、
・ 縦にドリブルしたら真横にパスを出す
・ 横パスが二回つながったら、次は縦パスを狙う
または
・ 縦パスが二回つながったら、次は横パスを狙う。
これらはつまり、パスでカバーする面積を広くとるということになります。横方向と縦方向にバランスよく進んでいくのです。パスの方向を変えて、広い面積を使う意識でつなぐことで、単調な攻撃を減らし、相手をじりじりと敵陣へ押し込み、ゲームを支配します。
攻撃のリズムを変えるとはこういうプレーの繰り返しのことなのです。
次は→マクロつなぎ論5 収束と拡散
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