今回は2Dポジショニングの弊害を取り除くために、立体的なイメージでポジショニングをとることを考えます。
左図の矢印は移動を表していません。意識を表しています。
水色が攻撃側、オレンジ色は守備側を表します。水色は上の方向へ攻めています。
では、実際のシーンを考えてみます。
仮に左のような状況があったとします。
3Dポジショニングは複数の守備者の中間地点に位置取ることを言います。三角形の重心に立つってやつです。
4人の守備者との距離が均等になるように意識してポジショニングをとります。
または、自分の周りに空間を作るように意識してポジショニングを取ります。
パスコースの確保だけでなく、ボールを受けた後のプレーのためのスペースの確保も同時に考えることが必要です。
こうすることで、ボールを受けたときに余裕を持つことが出来ます。逆に2Dポジショニングの感覚しか持ち合わせていない選手は、自分からDFと近づいてDFを背負う形でポストプレーを狙おうとしますから、ボールを受けたときにプレッシャーを受けてしまいます。
ボールを受けたときに周囲の敵全員の注意を引きつけることが出来るのも、3Dポジショニングの良さです。
また、狭いスペースでプレーすることが必要になるので、プレーを成功させるにはコントロールの技術が高いレベルで求められます。
ボールを受けたら例えば左のようなプレー選択肢が生まれます。
どの選択をするにしても一番重要なのは、パスとパスあるいはパスとドリブルを見合いにしてプレーすることです。
3Dポジショニングは周囲のDFの注意を引きつけることが出来るので、ボール保持者に新たなプレー選択肢を与えることも出来ます。
常に自分の背後の状況をイメージし続けることで、自分へのパスコースと味方へのパスコースを同時に提供するポジショニングを実践すれば、ボールホルダーは楽にパスを繋げます。
このポジショニング感覚はある程度技術レベルが高くパスが繋げるチームでないと養成が難しいので、 14~17歳頃までに身につけるのがいいと考えます。
出し手がルックアップしてパスコース探しているときに動き出しても遅すぎます。3Dポジショニングしようと思ってもDFが憑いて来てしまい結局ポストプレーになってしまうでしょう。
自分を誰にもマークさせず、かつDF全員の注意を自分へ向けさせるポジショニングは、出し手がボールを持つ前、2手3手前から陣取っておく必要があります。
2Dポジショニング感覚が強い人は、常に自分がボールホルダーの影に入ってないか気にしすぎて、自分から悪いポジションへ移動してしまいます。3Dポジショニングを実践するには、ある程度ボールホルダーの影に入ることに我慢し、先に良いポジションに入ってそこから動かないことを覚える必要があります。
現代サッカーにおいて3Dポジショニングはボランチより高い位置でプレーする全選手に必須の感覚だと言えます。DFやサイドでプレーする選手は2Dポジショニングで十分だと思いますが。とにかくピッチ中央でプレーする選手は3Dポジショニングと2タッチコントロールで守備の狭い隙間を素早く打開するプレーが必要不可欠だと考えています。
ではどのようにすれば、複数の守備者の間に入り込めるのか、それを次回考えていきたいんですが、香川やイニエスタを注意深く観察するとその答えが分かってきます。しかも、彼らはそれを意識的に「技」のように繰り出しています。「技」が好きな日本人(僕も技が大好きですが)なら、ポジショニングを技として認識すれば、かなりスムーズな改善が促せるんじゃないかと考えています。
次→ポジショニング4 ポジショニングという技
関連記事→FWの動き方 ポストプレーとポケットプレー
はじめての投稿になります。
返信削除僕は中学校のサッカー部に入っています。上の記事を読んでなるほどなと思ったのですが、よく近くのサッカー部と試合をするのですが、どこの中学のサッカー部も、マンマークの意識が高く、上の記事のように、三角形の重心でパスを受けようとしても、絶対に誰か一人にマークされるので、三角形の重心でパスを受けられません。そういう時はどうしたらいいですか。
はじめての投稿になります。
返信削除僕は中学校のサッカー部に入っています。上の記事を読んでなるほどなと思ったのですが、よく近くのサッカー部と試合をするのですが、どこの中学のサッカー部も、マンマークの意識が高く、上の記事のように、三角形の重心でパスを受けようとしても、絶対に誰か一人にマークされるので、三角形の重心でパスを受けられません。そういう時はどうしたらいいですか?
@ピルロさん コメントどうもありがとうございます。3Dポジショニングの実践には3つの条件があります。
返信削除1後方で横パスを素早く繋げること
2敵がゾーンディフェンスを採用していること
3ボールホルダーが前向きでフリーか、直近のDFと正対していること。
この3つが揃わないと三角形の重心でパスを受けることは難しくなります。
中学生年代では、パスをスムーズに繋げることがまだ比較的難しいので、ゾーンよりマンツーマンでディフェンスしたほうが効果的になります。そうした場合、マークを自力であるいは2人で協力して剥がすことを考えてください。
具体的には、クサビからの落としや、ワンツーだったり、いなすトラップでということになります。ワンツー色々1,2という記事が参考になるかと思います。一旦ボールホルダーが前向きでフリーになれれば、3Dポジショニングに崩しの活路を見出すことができます。
ご返信ありがとうございます。
返信削除マークを剥がし、フリーでボールを受けることを意識してみます。