footballhack: 試合分析法3 選手の特徴を理解する

2011年11月3日

試合分析法3 選手の特徴を理解する

システムの並びを大まかに把握したら、次にするべきは各選手の特徴を把握することです。とは言っても22人全員の特徴を一度に理解しようとするのは大変なことなので、まずは各チーム2,3人に絞って攻守のキーマンを決定します。中心選手の特徴を理解したら、次は中心選手を補助する選手達に焦点をあて、最後に弱点になるような選手に視点を移していきます。

選手の特徴を見極める上で、重要な要素は以下の5つです。
  1. キック
  2. ヘディング
  3. 運動量
  4. ドリブル(対人スキル)
  5. チーム内での信頼度

前半の3つは以前「サッカー選手の最終評価」 という記事で取り上げたとおり、その選手がチームにどれだけ貢献できるか測る重要な指標になります。加えて、ドリブルは個で組織を破壊できる重要な要素です。対人スキルに秀でていれば、ポストプレーで起点を作ったり、ライン際の縦突破でゾーンを上げられたり、タメて時間を作ったりなどして、攻撃にポイントを生み出せます。また、チーム内での信頼度を察することも重要です。上手いとは信頼できる選手のことを言います。パスの集まり方や指示の出し方、チーム内の雰囲気を感じ取ることで信頼度の高い選手を特定することができます。信頼度は上の5つの中で最も重要な指標かもしれません。

一つのチームに着目して分析する際、この5つの要素に優れた選手を2,3人ピックアップします。これがそのチームの中心選手になるはずです。そしてこの攻守のキーマンのプレーパターンをシステム図に大きく書き入れます。例えばそれは、パスの軌道であったり、ドリブルのコースであったり、動き方であったりします。このようにすると、チーム全体の攻撃と守備のポイントがわかるようになります。なぜなら、中心選手の特徴を活かすことこそがチーム戦術の柱だからです。

ここまで、中心選手の特徴把握が終了したら、次に見るのはいわゆるサポートの選手です。この種の選手に多いのは運動量豊富なタイプです。補助選手の動き方やプレーパターンを把握したら、それをシステム図に先ほどより小さく書き出します。すると、チームの狙いがこれまでよりくっきり浮き上がってきます。

最後に弱点となる選手を見極めます。中心選手や補助選手の把握に比べて、これは最も難しい作業です。よほどレベル差の激しい試合でないとぱっと見てわかる弱点などないので、子細に試合を観察することが求められます。

最終的に完璧な分析を行うには22人全員の特徴を把握することが求められます。そして、選手の特徴がわかれば自ずとチーム全体の戦術的狙いも分かってきます。

次→試合分析法4 戦術の選択と分析


0 件のコメント:

コメントを投稿