分析の作業とは一言で言うと、参照です。つまり、予備知識に照らしあわせて現状の事態を把握するということです。一見無秩序な数列とデータベースを比較し、ひとつの法則を導き出すような作業に似ています。
ここで言う予備知識には、大まかに言って2つがあります。システムと戦術です。
システム(セットディフェンスとセットオフェンス時)は、ただ単に布陣を表すものではなく、機能を付帯します。それぞれのシステムには先人たちが叡智かけて築き上げた機能が備わっています。それらを踏襲することで大きな力を発揮できます。
ただし、システムの選択はチームの個々の能力を加味して慎重に行うべきです。個性が失われないように、また相手チームの力を上手く削げるように決めるべきです。チームの成熟はシステムの機能と個の力の擦り合わせによって達成されると言うことができます。
戦術とは読んで字の如し、戦う方法です。つまり、「こう出たらこう反応があるだろう」といった思考実験とその結果の検証と蓄積が大事なのです。(wikipedia ゲーム理論)
この反復を試合終了まで続けることができたら、ゲームのシナリオを想定することが可能になります。シナリオの蓄積と参照は戦術選択において重要な要素です。
シナリオの蓄積と共に、局面打開の方法を知ることも重要です。キーポイントはピッチのゾーン分けと攻守の切り替えの4つのステージです。すなわち、ステージサイクルがピッチのどの部分で起きているか(起こりそうか)ということを、正しく把握しそこから打開策を練るのです。
システムと戦術の予備知識が豊富にあればそれだけ即時的に詳細な分析が可能になります。逆に知識に乏しければ分析に時間がかかったり、引き出せる情報量も限られてしまいます。ですから、これらの予備知識が入っていれば、選手の特徴の把握を把握した時点で、分析が完了することになるのです。
よって、普段から戦術研究を怠らないことが重要です。予備知識を収集することは座学でも間に合います。リンク先にある2つの良質なブログ( 蹴球計画、 サッカーの面白い分析を心掛けます)を読むことは戦術の理解、システムの機能の把握に大変役に立ちます。
しかし、注意しなければならない点があります。それは分析時の精神的コンディションです。 つまり、冷静であることが大事なのです。その条件は、偏向しないこと、心拍数を下げておくこと、集中力と注意力を高めておくことです。
これらのことに気をつけて分析を行えば、きっと良い結果が得られるでしょう。
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