ステップワークだけ真似ても結局筋力が足りないから出来ないのかな、なんて諦めていました。この問題を放置して数ヶ月、アジアカップが始まり香川と長友の活躍を目にしました。そしてなんと彼らからヒントを得ることが出来ました!
では長友の動きを御覧ください。(アジアカップ決勝オーストラリア戦)↓
そして香川の2ステップターンはこちらから。
2人に共通するのは、抜くときにピョンっと飛び跳ねていることです。
よく見るとちゃんと内脚(2人とも右利きなので右足)を使って跳ねています。そして浮き上がるようにして次のプレーへズムーズに移行しています。
更によく見ると、切り返しのボールタッチの直前に重心が低くなっています。これは何故かというと、外脚(左足)を踏み出すときに通常の歩幅より大きく横に開いて接地するためです。外脚を横に開いて接地する動作はマシューズフェイントのフェイク動作部分にあたります。
つまり何が言いたいかというと、内脚荷重の方向転換に重要なポイントは
- 外脚を開いて接地すること
- 沈み込んで低重心状態を作ること
- 内脚に荷重して浮き上がるように横へ移動すること
実はこの動作は反復横跳びと同じ動作です。またはラダートレーニングやポールを使ったステップワークのトレーニングで、サッカー選手なら必ずと言っていいほど経験する動きです。
通常のランニングからスムーズに反復横跳び動作に移るトレーニングを行えば、パフォーマンスをアップさせることが出来るかもしれません。
■マイケル・ジョーダンとマシューズフェイント
かのマイケル・ジョーダンもマシューズフェイントに近い動作をしているのを見つけました。↓2:21からです
ポストからターンしてフェイダウェイというのがジョーダンの必殺パターンのうちのひとつだったようです。バスケは正直全然詳しくないんですけど笑。
このジョーダンの動きとマシューズフェイントにどのような関係があるのか説明します。
まず左のようなニュートラルな姿勢でボールを持ちます。
この姿勢から、ワンドリブルいれて後退し、ディフェンスを押し込みます。更に、両足を浮かせながら、下の写真の姿勢をとります。
図に示したとおり、両足を開きながら沈み込み、膝に力を蓄えています。
このシーンでは先に右足を接地させ、右に動くフェイクを入れると同時に、重心を左へ移しています。
この後の動きは上の動画のとおりです。
低重心を保ったままピヴォットしているので、ディフェンスより高くジャンプできるのでしょうかね。
このシーンはディフェンスをかわすところまでいっていませんが、ジョーダンはこういう動きが得意らしく、相手を背負った状態からターンを決めるのを度々見ました。
また、僕の目からみるとジョーダンの動きは非常にヌルヌルしていて気持ち悪いんです。それでよく観察したら、両足を縦や横に開いて見かけとは逆に動いたり、足の踏み替えを行ってステップワークのリズムを変化させたりしているからだと分かりました。
では次はメッシです。
ブラジルとの親善試合でのワンシーン。
左の写真では、両足を開いて浮いています。
メッシの背後にブラジルのCBダビド・ルイス選手がいます。彼とメッシの頭頂部の高さの差を白い線で表しました。
ここから外脚(右足)を開きながら接地して左足のアウトサイドで切り返します。
股関節や膝を曲げて低重心姿勢をとっています。
外脚を横に踏み込むことで体の軸をボールの上に運んでいます。またこれはフェイク動作にもなっています。
外脚の接地と同時に内脚(左足)に重心を移し、内脚を接地してから膝を一気に伸展することで、浮き上がるような感覚で横方向へ加速していきます。
参考動画→メッシのドリブルスローいろいろ
ジョーダンとメッシに共通するのは
- 両足を開いて浮く
- 体が沈み込む
- 先に外脚を接地する
- 3がフェイク動作になる
- 外脚を体の軸から離して接地することで内脚に重心が移る
- 内脚荷重と低重心姿勢から浮き上がるように次のプレーに移れる
人間は二足歩行の動物です。素早く動くためには2本の足を効率よく使わなければなりません。地面を強く踏むことで、より強い反発力を得る必要があるのです。例えば、高くジャンプするためには膝にタメをつくる時間が必要です。
また、方向転換のためにもジャンプと同じようなタメを膝に作る必要があります。タメを作っている最中は運動速度が落ちるので無防備になりやすいのです。ですから、タメ時間は短ければ短いほど良いのですが、短すぎるとダイナミックな動きができません。そのジレンマを解消してくれるのがマシューズフェイントなのです。
つまり、 マシューズフェイントは横移動へのタメを作っている時間そのものがフェイク動作になっているのです。こういった理由から、個人的に、マシューズフェイントが一番効果の高いフェイク動作だと考えています。
今回紹介した両足開き、沈み込み、浮き上がりという動作はサッカーバスケ以外のスポーツでも有効だろうと思うので、いろんなスポーツを観戦して身体操作への思索に耽ってみてください笑。
次→メッシの身体操作4 上体の前傾と後傾
マシューズフェイントの解析も非常に分かりやすかったです。今後ここから派生してシザースフェイントの解析も楽しみにしています。
返信削除駄文長文が多くて読みにくいかと思っていましたが、わかりやすいとのコメントを頂けてうれしく思います。
返信削除ドリブルの抜き技として有効なのはマシューズ、ダブルタッチに限られ、シザーズは非効率的だというのが個人的見解なので、シザーズに関する記事を書く予定は当面なかったのですが、コメントを頂いたのを機に少し考え直してみます。
これからもよろしくお願いします。
返信ありがとうございます。
返信削除派生と表現した理由はメッシの写真(下)から(上)を見て内からのシザース、(上)から(下)の間に外からのシザース、(上)から(下)を何度も見ますと連続シザース、ランジにも見えました。
また、(上)の前にインサイドでボールタッチ(下)アウトサイドでタッチしたホアキンが使うイン・アウトにも見えました。分かりにくかったらすいません。
おっしゃるとおりメッシの写真を見るとシザーズの動きにも似ています。シザーズをするにしても頭を振って加速することが重要だと考えています。
返信削除ホアキンのインアウトはマシューズの派生と捉えるほうが自然で、記事中のディマリアの動画を見ればそれがよく判ると思います。
シザーズの効能というのも色々あってデメリットもあるので、その辺は今後まとめて書こうと思っています。
このコメントはブログの管理者によって削除されました。
返信削除間違えて削除してしまいましたすいません。浮きについては蹴球計画のドリブルの項を見てください。あとコンタクト時に浮くことはバランスを回復する上で有利です。一番不利なのは肩足立の時に力を外部から加えられることです。両足を浮かせていれば押されても着地位置が自動的にずれてバランスを保つことができます。うまい選手は相手にとびかかるように浮いて接触します。これは体の小さな選手しか出来ませんが有効な技です。以上です
削除ありがとうございます。
削除別のサイトのことまで説明させてすいません。
違う話ですが、「フットボールネーション」というサッカー漫画にはヨーロッパの一流選手と日本人選手の体の使い方について取り上げられていました。その漫画によると日本人は前側の太ももを使い海外選手はハムストリングをつかって走っているということでした。走るときに前傾になって腿の裏を意識して後ろ足を伸ばすように走るといいらしいです。
これをドリブルに当てはめると、前の足=内脚 後ろ足=外脚、前傾
ということで理にかなっているんだなと思いました。
日本からドリブラーを生むには、まず、外脚・ハムストリングの意識を広めなければ、いけないんですかね。
長くて下手な文章ごめんなさい。