footballhack: サッカーの試合の流れを読む

2011年2月6日

サッカーの試合の流れを読む

前回、プレーエリアと戦術眼という記事の中で、試合の流れを読むということは、ピッチ上で何が起こっているのか正確に把握し、いくつかの現象から予測を立てるという行為であり、それをピッチの上で走りながらリアルタイムで実践するということ、というふうに書きました。今回はそれの補足です。

試合の流れを読むための一つのアイディアとして、相手の戦力分析をすることが挙げられます。例えば、相手チームのキープレーヤーは誰か、弱点になりそうな選手は誰か、CBは足が遅そうだなとか、GKはハイボールに弱そうだとか、FWは一回こねる癖があるなとか、左サイドより右サイドのほうがうちに分があるなとかです。選手個々人の分析から始まり、味方選手の能力と比較した上で予測を立てることが可能になります。

こういった予測は経験から生み出されます。普段の試合から上記のような目線を持って試合に取り組むことで、経験は積み上げられます。そしていくつもの基準が頭に入っていれば流れを読むことも容易になってきます。サッカーというゲームのパターンを知るということです。

もう一つのアイディアとして、試合をたくさん観戦するということが挙げられます。特にテレビ観戦では録画と一時停止を使うことで時間を引き伸ばして分析することが出来ます。また、スポナビ+などにわずかですが優れたブロガーさんによる試合分析が掲載されております。それらの分析を読んだ後に試合観戦をするとサッカーのパターンを頭に入れやすくなります。

サッカーのパターンとは90分の物語のことです。例えば、気の緩みからロスタイムに失点した“ドーハの悲劇”や、守りに守って不細工な格好ながらも1点をもぎ取った“マイアミの奇跡” などがあります。あたかも起承転結が予め設定してあったような筋書きがサッカーの試合ではたびたび見られます。

こういった筋書きをひとつひとつ挙げるとそれこそ100通り以上存在することになってしまうのです。サッカーのセオリーは何百通りも存在すると言われる所以がここにあります。

よってそれらを一つ一つ虱潰しに覚えていこうとすることは、英和辞典を1ページ目から全て覚えようとすることと同じく、効果的とは言えません。 自分が遭遇した試合をひとつひとつ消化しながら、それらを自分の血と肉にしていく、つまり経験値を上げていくほうが現実的です。

また、サッカーの筋書きは布陣の噛み合い方で決まってくることも多いです。例えば4-4-2同士、4-4-2対3-5-2、4-3-1-2対4-2-3-1などの組み合わせの違いで出来るスペースの大きさと場所も変わってきます。また、活きるポジションや死ぬポジションも変わってきます。

戦術を勉強することで試合の流れを予測し、それをもとに一選手がピッチ上でひとつひとつの判断を改善していくことも可能なのです。

試合を観戦するにも常に疑問や基準を持って見るほうが一試合から得られるサッカーのエッセンスは変わってきます。

そのために、ピッチ内では敵戦力分析、味方との戦力比較、フォーメーションの噛み合わせ、相手の攻守の戦術を分析すること、試合の起承転結を考えることなどをオウトオブプレー時かボールが近くにないときに考えることが必要です。

また、ピッチ外では試合分析を読むこと、試合観戦、仲間とサッカーの話をすることや指導者の言葉に耳をかたむけることが必要なのです。

こう書いていると良い指導者との出会いが、いかに重要かということを再確認しますね。

結論を言うと試合の流れを読むには、試合を外から観ているかのように考える、つまり監督目線になるということが理想です。

追記
試合分析をするにあたっては攻守の切り替えを正しく理解することが不可欠です。下に攻守の切り替えに関する記事を載せておきます
ザックジャパンの試みと攻守の切り替え

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