そんな感じで斜に構えて見ていたのですが、なかなかわかりやすく面白いことを言うので、これはネタになるなという感じで今回の記事です。
■サッカーの試合中に発生する4つのステージ
ステージというか攻守の切り替えをより分かりやすく区分し、4つに分けて考えようというものです。いつの号か忘れましたが、サッカークリニックでスペイン人指導者が論じていた攻守の切り替えです。(スペインの指導者養成コースではサッカーの基本として紹介されるそうです)下図参照通常攻守の切り替えと言われる攻撃と守備との間の移行部分は、状況によって2つの性格に分かれるってことです。
状況とは攻撃から守備に移るのかあるいはその逆か、です。
ある1チームの視点にたったとき、サッカーのゲームは原則的に、この矢印に沿うように進んでいきます。
ここからは持論です。
攻守の切り替えの移行部(最近ではトランジションという言葉が使われるそうです)は、上図の枠の色で示したとおり、攻→守は攻撃に、守→攻は守備の戦術の一部と考えます。なぜなら攻→守は攻撃視点で戦術をたてるほうが容易ですし、守→攻は守備視点で戦略をたてるほうが自然だからです。新たに図を作ったので考えてみます。下図参照。
上の図をより具体的な言葉で置き換えてみました。
①のセットディフェンスとは安定的に敵にボールポゼッションを与えたときの守備を指します。最近よく言う『ブロックを形成した守備』 はこれにあたります。
②のダイレクトプレーはカウンターと言うほうが性格的に分かりやすいと思います。ゲームが不安定状態でボールを保持している状況を指します。
③のセットオフェンスとは安定的にボールを保持した状態での攻撃を指します。相手を敵陣に押し込んだ形でのポゼッションや横方向へのビルドアップなどがこれにあたります。
④のプレスとはゲームが不安定状態のときボールを保持していない時を指します。ボールロストして必死に取り返しに行く時などがこれにあたります。
安定不安定に関してはこちらをどうぞ
マクロつなぎ論 安定不安定1
マクロつなぎ論 安定不安定2
■セットオフェンスとセットディフェンス
攻守の切り替えを考える前に攻撃と守備について考える必要があります。上の図で言うならセットオフェンスとセットディフェンスです。(これらは自分が分かりいいように作った言葉です。)
ポジショニングという観点から見て、攻守の切替時(上でいう②と④のとき)は各選手のポジショニングは8割以上各選手の瞬間の判断に委ねられると言っていいかもしれません。攻守交替が起きたときに、「お前はここにいろ」とピッチ外から指示することは難しいからです。ゲームが不安定なときにゲームは動きます。そんなときは冷静に周りを見て判断する時間的余裕はありませんから、選手自身の経験や勘をもとに行動が起こされます。このため、ピッチを上から見ると②や④時には選手配置がぐちゃぐちゃになります。
反対に①や③のときは②や④のときとは違いポジションを修正するための時間的余裕が生まれます。選手はより均等な距離を保つようなポジショニングを心がけ、俯瞰してみると綺麗に並んで見えるようになります。よって、①や③のときはあらかじめトレーニングしていた戦術を遂行しやすくなります。こういう理由から①や③を「セット」された攻撃あるいは守備と呼んでいます。CKやFKをセットプレーと呼ぶことと同じ考え方です。
そしてセット状態で組まれた戦術は攻守交替時にも威力を発揮します。
セットディフェンスにおける課題は、失点しないようにしっかり守ることから始まり、いい形でボールを奪い素早い攻撃につなげることへシフトしていきます。
セットオフェンスの課題は、簡単にボールロストしない攻撃の組み立て、攻撃を完了させるための崩しを経て、相手のカウンターを許さず、ボールを失っても相手が苦しい体勢から攻撃を始めなければならないように後手を踏ませる攻撃へシフトしていきます。
こういった諸事情から個人的にシステムを語るときは、攻撃時のシステムと守備時のシステムを分けて考えています。
例えばバルサなら攻撃時は3-3-3プラス1(アウベスのことです)、守備時は4-1-4-1というふうに、スタメン発表される形式上の選手配置をもとにシーン別でのシステムを考えるわけです。
なんだか思ったより長くなってしまったというか寄り道しすぎてしまったので続きは分けて書きたいと思います。
つづき→ザックジャパンの試みと攻守の切り替え2
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