footballhack: 試合分析法1 サッカー構造の理解

2011年10月30日

試合分析法1 サッカー構造の理解

今回は独自のサッカーの試合分析法を紹介します。

分析法の手順は以下のとおりです。
  1. 攻守の切り替えの4つのステージから、ゲーム構造を理解する
  2. システムの並びから布陣の噛みあわせ、組み合わせを理解する
  3. 選手の特徴から、試合の流れを理解する
  4. 戦術、戦略の選択と分析
まず、以前「ザックジャパンの試みと攻守の切り替え」で紹介した、攻守の切り替えの4つのステージを説明します。


左図のようにサッカーのゲームでは4つのステージが存在します。これらが循環することでゲームが進みます。

重要なのは、この4つのステージが占める時間的割合です。

自チームと相手チームの力量差やゲームスピード、技術戦術レベルの程度によって、この割合が変化します。





例えば、
  1. 守備、守→攻の時間が長ければ、相手チームの力量が高い
  2. 攻撃、攻→守の時間が長ければ、自チームの力量が上回っている
  3. 攻撃、守備の時間が長ければ、安定した試合運び(大人のサッカー)
  4. 守→攻、攻→守の時間が長ければ、 バタバタした不安定な試合運び(子供のサッカー)
また、この他にもインプレー時間とアウトオブプレー時間というものがあり、
  1. インプレー時間が長ければ、レベルが高くスピーディな試合
  2. アウトオブプレー時間が長ければ、ゆったりとしたレベルの低い試合
ということが言えます。


これらを理解した上でもう一度上の図を書き直すと以下のようになります。




チームを構築する際は、①から手を付け、②③④と順に改善していく方法が一般的です。

なぜなら、守備の構築に比べ、攻撃の構築は倍以上の時間がかかりますし、守備を先に構築したほうが結果を早く得やすいからです。






また、チームの成熟度によって攻守のサイクルは変わります。

セットディフェンスしか出来ないチームは①と②の循環に終始します。(矢印B)
カウンターの形を得たチームはラインの押上が可能になるので、①②④の循環が可能になります。(矢印A)
理想はバルセロナのように③④の循環を続けることです。現実的には②③④の循環を目指すことが目標になりそうです。

まとめ:
サッカーの試合分析をするには、まず攻守の切り替えの4つのステージを把握し、ゲーム構造を理解することが重要です。その後、システム論や相手キーマンのチェックなどを進める上で、ゲーム構造の理解がそのベースになります。

次→試合分析法2 システムの組み合わせと噛み合わせ

0 件のコメント:

コメントを投稿