現代サッカーでは一昔前のように観客を喜ばせるだけの派手なテクニックを披露しづらくなりつつあります。60年代や70年代のブラジル、オランダなどの選手は、ゆったりとプレーする時間があったので、華麗なフェイントや意外性のあるドリブル突破を見せてくれました。しかし、現代では守備のレベルが上がり、一人ひとりに与えられる時間が限られてきました。ですから、ボールホルダーは時間とスペースがない中で常に戦術的に有効な判断を伴うテクニックを駆使しなければなりません。
では、「上手い」とは何か。
端的に言うと、上手い選手とは頼りになる選手のことです。
頼りになるとは、信頼できるということで、つまり、「あいつに任せれば何とかしてくれるだろう」と味方の選手に思われることです。逆に相手選手からは「あいつは危険だから注意しなければならない」と思われなければなりません。
ポジション別に言うならば、例えばGKならチームのピンチでも「あいつなら止めてくれるかもしれない」と思わせるような選手です。
CBなら「1対1や空中戦ならあいつの所で必ず跳ね返せる」と思わせる選手。
SBなら「あいつのサイドは硬いから守備は万全。良いクロスも持ってるからどんどん上がって欲しいなぁ」と思わせるような選手。
ボランチなら「あいつは絶対取られないし展開力もあって、守備の寄せも速いから中盤ではこちらに分がある」と思わせるような選手。
SHなら「1対1強いし、前線で起点になれるから助かるなぁ」と思わせるような選手。
FWなら「1点は必ず取ってくれるし、シュート力あるから早めにボールを預けたい」と思わせるような選手などの事を言います。
つまり、頼りになる選手であれば、テクニックがあろうがなかろうが、サッカー知能が低かろうが、どうでも良いのです。極論を言えば、フィジカルだけ鬼のように強く、そこでポイントができてしまう選手がいれば、その選手は上手いのです。ただし、その選手が上のカテゴリーの試合に出た時は、大抵の場合フィジカルレベルが上がるので通用しなくなり、一気に「下手な選手」の烙印を押される可能性がありますが。
その試合で、開催中の大会で、シーズン中のリーグ戦で頼りになると感じられる選手がいれば、その選手は「上手い」と認定されるべきです。
最終的には大人のサッカー(より均一なフィジカルレベルの中)で、長いリーグ戦を戦う時に頼りになる選手にならなければなりません。そのためにはサッカー知能を上げることは必要不可欠になります。ただし、サッカー知能がいくら高くても、フィジカルレベルで通用しなければ「下手」と言われるので、その辺の見極めは大事なところです。
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