とその前によく聞く話ですが、全ゴールの？？％（かなり高い割合）は↓の図の緑色のゾーンで示したエリアから放たれるシュートから生まれるそうです。
緑のゾーンの幅はゴールエリアの幅で、奥行きはエンドラインからPKスポットの間ですね。このゾーンに上手く進入することが出来ればゴールを決める確率が高くなるということです。そこで、このゾーンに侵入する動きを図にしました↓
あらゆる方向から侵入できます。そしてこのように走ったところにちょうどボールが来れば一点モノの好機を生み出せます。このランニングはゴールに向いますので、必然的に体がゴールに正対し、シュートを打ちやすい体勢になります。
では、逆にFWのダメな動きを以下にまとめました。↓
先ほどと逆ですね。この動きは常にダメというわけではありません。味方にこのゾーンを使ってもらうためにマーカーを引き連れるプレーでは有効ですし、パスの出し手の体勢が整っていないうちは、この動きで準備態勢を整えることも必要です。しかし、パスの出し手が体勢十分かつマーカーが後手に回っている時（崩しのタイミングの時）に、上図のような動きを見せるFWはFW失格です。ゴールを全く意識できていないことになります。
もう一つ考えるべき走り方を紹介します。
ゾーンに侵入して通過しそのまま出ていってしまうランニングです。これがよく起こる状況はクロスを合わせる時です。↓こんな感じで中央2対2の状況を考えます。
日本ではこういう場面でよく、2人が交差するように走り、一人はニアサイドもうひとりはファーサイドを狙いなさいと教えられます。センタリング練習で必ずといっていいほど行うプレーです。↓
この交差するランニングは先程のゾーンを通過して出ていってしまうランニングに酷似します。そしてこれらのランニングが有効かというと案外そうではないことが分かってきます。
なぜなら、ニアサイドを狙う選手はシュートを打つときの体勢が悪くなりますし、シュートの技術もかなり高いものが要求されます。そして、走れば走るほどゴールから遠ざかることになるので、センタリングが自分に到達するまでに時間がかかってしまうと、シュート自体が困難になります。
つづいてファーサイドに走る選手についてです。この動きでマーカーを外したところに速いクロスが来た場合、やはりシュート体勢が厳しくなります。下がりながらシュートを打たねばならないからです。ふわりとしたクロスが来た場合、マーカーのポジショニングが良ければ競られる可能性があります。うまくマーカーの頭をボールが越えてくれれば好機を迎えられるんですが。
ではつづいて、より良い体勢でシュートに臨める走り方を下記の図に示します。
プルアウェイをしてマーカーの視野を切ってからゴール前の重要なエリアにまっすぐ飛び込むやり方です。欧州で活躍するFWの多くがこの動きでゴールに迫ります。最近ではJリーグでもよく見られます。しかしまだまだ育成年代でこの動き方に気をつけている指導者は少ないだろうと思います。
クロスを上げる選手とタイミングを合わせて動く必要があることは周知の事実です。このとき必ずしもプルアウェイしなくてはならないということではなく、あくまでクロスのタイミングに合わせて時間を作ったり体勢を整えたりするためにプルアウェイが必要になってくるということです。
時にはペナ進入からまっすぐに目的のゾーンに走りこむことも大事です。MFが中盤から飛び出してクロスに合わせる際、気をつけなくてはならないのは、クロスに遅れることなくこのゾーンに進入することです。そのためには勇気を持って相手DF陣の隙間に入り込み、緑色のゾーンに侵入してそのまま相手ゴール内に走り抜けてしまうような気概が必要なのです。
上の話を簡単にまとめると、ゴール前にボールを放り込む場合、↓の図の青いゾーンを狙うと良いのではないでしょうか。幅はゴールエリアの幅、奥行きはゴールエリアの端からペナルティスポットの間です。
ここに人を集めてボールを放り込めば、こぼれ球もこの付近で拾えるのでチャンスが広がるはずです。
参考 トッテナム・ホットスパーズのジャーメイン・デフォー選手の動きです↓
セイドゥ・ケイタ（バルセロナ）の中盤からの思い切り良いランニングからクロスを決めるシーン↓
次はカウンターアタックを考えながら日本人FWの好きなプルアウェイの動きについて考えます。
→ポストプレーとポケットプレー１
→ポストプレーとポケットプレー２
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