footballhack: 神戸対C大阪100925雑感

2010年9月25日

神戸対C大阪100925雑感

神戸4-4-2
セレッソ4-2-3-1

0-0で終了した試合だが、個人的には神戸の勝ち試合だったと思う。

セレッソはビルドアップの時両SBを高い位置に上げて、両CBと2人のボランチとトップ下が一人降りてきてつなごうとする。

それに対して神戸はFWとSHが高い位置からプレッシャーをかけてセレッソの最終ラインに余裕を与えない。これが功を奏してセレッソは中盤でボールを失うか蹴るしかなくなっていた。

神戸がボールを持ったときはSHが高い位置を取り4-2-4のような形になり、中盤を省略するか、サイドから迂回してボールを運ぶことで中盤の数的不利を避けていた。

一方セレッソは4-5-1のようなブロックをつくり、ゾーンで守る方法を取っていた。ゾーンDFの弱点である「マークの受け渡しの際のギャップ」を神戸にうまく突かれていた。

神戸の狙いは前線で数的同数の状況をつくり、そこへ早めにボールを入れたり、サイドに起点を作ってそこから放り込んだりすることのようだった。結果ルーズボールを前線でよく拾えるようになり、ボールロスト後も前線からのプレッシャーでセレッソに攻撃の起点をつくらせないことに成功していた。

また、神戸の両SHがセレッソの両SBを押しこむ形がつづき、セレッソにビルドアップを許さなかった。押し込まれたセレッソは陣形が収束しており、簡単にパスを回せるポジションどりが出来ない状況に追いやられていた。この神戸の戦略は、前半に2度ほどセレッソに攻撃の形を作らせたのみで、セレッソの攻撃力分断に絶大な効果を発揮した。

セレッソ注目の若手2人(乾、家長)は本当にボール扱いが上手でこの二人とマルティネスが絡んだときはアルゼンチンのような攻撃を見せていた。

一方もう一人のトップ下の清武は活動量が素晴らしい。守→攻の切り替えが速く左サイドを駆け上がることで、神戸の右サイドバックの裏をつきセレッソの攻撃の起点になる場面が何度かあった。攻撃のコンビネーションにおいても清武の動いたあとのスペースを家長と乾が使うケースが多いように思う。

乾は代表に呼ばれるほど“能力”が高く、時に人を魅了するようなプレーを見せるが、時に簡単にボールを失ってしまう。これは彼が運任せにプレーしているような印象を与える。ボールコントロールは正確で2タッチ目の意識も高く、常にマーカーの先手を打ってボールを動かしていこうというプレーは申し分ない。しかし、ボールを動かしていった先に困難が待ち受けていると、その困難を打ち負かそうとするため、そこで勝てないと、簡単にボールロストしているように見えるのだと思う。流れに身を任せてプレーするのは良いことだが、その流れの先に大きな滝つぼが待ち受けているのが見えた際は、流れを一度断ち切り、違う方向への流れを生み出す選択をしなければならない。球際の戦局を勝ち抜くスキル以上にチームとしてのつなぎの流れを理解する能力が重要なのです。彼とマルティネスとの差はそこにある。

家長はシュートをするためにドリブルをしていない。そのことはリポーターの方もおっしゃっていたが。彼はプレーの選択の優先順位がボールを取られないこととマーカーの逆をつくことになっている。そのため、蹴球計画さん的に言うとスラローム的なプレーが目立つ。シュートの意識は意識を変えるだけではよくならない。ドリブルのコース取りやトラップの方向を変えることでシュートの意識も改善する。

ポポとボッティ:神戸はこの二人で成り立っていると言っても過言ではない。攻撃のみならず守備での貢献度も非常に高い。球際の強さ上手さ、ファウルのもらい方、ファウルのやり方、ミドルシュートやサイドチャンジのパスなど全能的な活躍でゲームの支配権を相手に渡さなかった。大久保が戻ったらこのトライアングルで魅惑のサッカーを展開してくれそう。

吉田と茂木:神戸の両FWは個人的に良いと思う。2人とも2タッチ目のボールタッチの意識がよく上手くはないが賢い印象を受ける。

後半は張り替えられてすぐの芝生が痛みに痛み、イレギュラーバウンドするボール扱いに両チームが悩まされる展開になった。

後半半分くらい過ぎるとセレッソが交代。家長&播戸outで小松&永井in。この結果セレッソの布陣が4-2-2-2みたいになる。神戸の4-4-2の重ねるとぴったりと重なってマンツーマン的な戦いになる。

この交代が本当に疑問でクルピはセレッソの選手が神戸の選手に1対1で勝てると踏んでこういう交代をしたのだろうか。答えを知っている人がいたら教えてください。

この交代で神戸はチャンス。乾と清武の守備意識の低さを利用してますますサイド攻撃がしやすくなった。神戸の両SB近藤と石櫃がガンガン駆け上がり、直線的なランニングからゴール前に人数を増やしシンプルに放り込むという攻撃でチャンスを作った。とても効率の良いサッカーをしていた。

一方セレッソは前線の選手のドリブル突破が決まればチャンスが作れるが、それを止められると逆襲という形で非常に悪い流れだった。清武と乾の運動量が落ちた終盤、その守備の穴埋めをしたのは途中出場した小松だった。かれの良さは高さだと思うのだが、自陣近くで守備をする彼がゴール前に到達するまでに大変時間がかかり、彼にロングボールを送るということが全く出来ていなかった。本当に謎の交代だった。理由を知りたいです。誰か教えてください。

いろいろ省略して言うと、この試合はマルティネス&アマラウ対ボッティ&ポポという展開になった。ますますわるくなるピッチコンディションの中、ピッチ上で頼りになるのは彼らだけで、彼らがボールに絡んだときに戦局が動くということが往々にしてよくある。結局Jリーグでゲームを支配するのはいつも外国人選手になってしまうのがとても悲しい。日本の若い選手は彼ら外国人選手からいろんなものを吸収しなければならない。

走り書きしたんで間違いありましたら教えてください。




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