footballhack: メッシのドリブル5-1 2択への追い込み

2010年8月20日

メッシのドリブル5-1 2択への追い込み

5 ディフェンスはほとんど対応が後手になっている。予測ができていない。

非常にシンプルに見えるメッシのドリブルの仕掛け。メッシが少し体を右に傾けただけで大概のDFがバランスを崩してしまうのは一体なぜなんでしょうか?

DFにとって身体的にも精神的にも余裕があるときには簡単にフェイントに引っかかったりしません。身体的に余裕がない状態、例えば遅れてディフェンスをしければならなかったり、体勢が崩れている時には、必死で守備をしなければならないので、キックフェイントなどにかかりやすくなります。

また、メッシと対峙するDFの頭の中には、“メッシはスピードがあるから出遅れてはいけない”という意識があります。これがDFに精神的なプレッシャーを与えているのです。なので少しのフェイントにも引っかかってしまうのです。

この場所で縦に行かれたらまずいとか、このタイミングで中に切り返されたらシュートを打たれてしまうとか、DFが先読みをするからこそ体が先に動いてしまうのです。そうやって先に動いたDFの逆をとることでメッシは簡単に突破しているのです。

シュートを打つか打たないか、右に行くか左に行くか、走るか止まるか、この2択をDFに迫ることで状況を打開することができます。人間は同時に二つのことはできないという真理を、メッシは体で理解しているようです。

そしてDFが2択に追い込まれる回数というのは、メッシがボールに触る回数と同じです。メッシが易々と複数のDFの間を縦にまっすぐドリブルすることで突破するのをよく見ますが、このときDFたちはメッシがいつ止まるか判らないので置きざりにされてしまうのです。決して走力でメッシに劣るからではありません。

そこでメッシの身体的特徴、“低い身長”が活きてきます。背が低い=足が短いということは、ボールタッチの回数が必然的に増えてくるのです。ボールタッチの回数が増えれば、相手を2択に追い込む頻度が増えます。

加えてDFのリズムを崩すことも容易になります。分かりやすくいうと、DFが1秒に2回方向転換できるとしたら、メッシは1秒に3回方向転換できるチャンスがあるということです。ファイナルファンタジーでいうところのATBバーがたまる速さが段違いに早いんです。

ボールを体から離したドリブルでは、そのような2択に迫るドリブルはできないので、身体能力の差が顕著に出ます。走力だけで相手に挑むような選手は、自分より走力が高いDFを一生打ち負かせないでしょう

この2択へ迫るドリブルをするには、DFを見ることと自分の動きを修正することができなければなりません。それについては別の項にまとめます。

次は→メッシのドリブル 後出しジャンケン

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