サッカーのセットプレーのうち最も特殊なものがスローインです。なぜ特殊かというと以下の特徴を持つからです。
- FPが手でボールを扱う
- 受け手が必ず浮き球をレシーブしなくてはならない
- ピッチ内で攻撃側が数的不利になる
- 飛距離が出ない、密集しがち
- 最も頻繁に発生する
ここから何が言えるかというと、スローインからのプレーでは攻撃成功確率が期待するよりも低くなる傾向があるということです。
プレーの成否は、受け手の力量へ依存します。投げ手、受け手でいうとだいたい2割:8割くらいで受け手重視でプレー成否が決まります。本当に受け手次第なんですね。
なぜかというと、投げ手はスローインの方法論の正誤がはっきりしているのに対して、受け手はレシーブの技術とドリブルやパスの技術など幾十もの技術から少なくとも3,4つを連続させて成功させなければならないからです。
スローインを投げる方法は非常に簡単です。次回扱いますが、シンプルな法則に則って投げることで、受け手をラクにすることができます。また、プロでも同じ投げ方が求められるので、レベルの高低に関係なく正しい投げ方というものが存在します。したがってその通りに投げておけば失敗することは少なく、投げ手の責任でプレー成否が決まることはほぼなくなってきます。だから、小さい時から正しい投げ方を覚えることが大事になります。
一方、受け手はプレッシャーのレベルによって必要なスキルのレベルが変わります。フィジカルレベルも変わってくるので一概にこうしておけば良いという方法論があるわけではありません。スキルも3,4つのスキルを連続して成功させなければボールを保持することはできません。だから、スローインの成否は受け手の力量に依存するのです。僕はこれを選手の神通力と言っています。
ここでいう受け手のスキルとは受け方(スペースの使い方)の問題ではありません。トラップとフィジコンとドリブルの技術を言います。スペースの使い方を議題に挙げるのはその後の段階です。だから、pal-9999さんのいうような「 2013年W杯最終予選、日本代表対ヨルダン代表のプレビュースローインの戦術」や清水ヒデトのいうような「スローインも頭を使おう!簡単にマイボールを失わないスローイン戦術」 というのはスローインの投げ方と受け方の基礎ができた上での話になります。いきなりこんなに複雑なことをやるのは段階飛ばしなんです。複雑にするな、まずはシンプルに理解しろがモットーですから、スローインに関しては投げ方と受け方を学ぶのが先です。
特にね、小中学生のスローインがひどいんですよ。それはパパさんコーチにちゃんとした知識がないのも問題ですが、スローインの正しい投げ方を解説した本がないことが最大の問題です。ですから、僕がここで一役買って出ることにしました。しかし、名古屋グランパスu-12のスローインは素晴らしかったです。コーチ陣がいい仕事をしている証拠です。
次回はスローインの投げ方
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