サッカーの攻守の切り替えはコインのように表裏一体であると言われます。攻めながら守りを考え、守りながら攻めを考える。よりよいサッカーは攻守が表裏一体であると言われますね。僕が今熱視線をおくるドルトムントのサッカーも攻守が一体になっています。あぁドルトムントを理解したい!!それがこのシリーズのモチベーションです。
じゃあよいサッカーをするために攻守両面を同時に考えながらサッカーをしましょう!といったところで、一体どうすればよいのでしょうか?これは「俯瞰的にピッチを見ろ」という指導と同じで正しいんですが具体的ではない手法です。コインの表と裏を同時に見ることはできませんね。わからない人にわからせたいときには全く役に立たない言葉があるんです。
コインの表裏ではアバウトすぎる、じゃあ半分ずつに分けましょうよっていって出てきたのが、攻守の切り替え・4つのステージです。(この考え方の前にはボールを巡る3つの状況という考え方もありました。)
これを手に入れたことで試合の分析方法は一歩進み、攻撃と守備をセットしてデザインすることを学びました。
セットディフェンスとセットオフェンスのデザインからチームを構築しているのがザックジャパンです。セットオフェンスのデザインはこの本に書きました。
しかし、ザックジャパンは今のところ攻守の切り替えが上手く行ってません。個人のがんばりは目立ちますが、連携してボールを奪い返す仕組みや※セカンダリーブレイクの仕組みはありません。この分析手法ではまだアバウトすぎるということなのでしょう。セカンダリーブレイクやトランジションディフェンスが整っているバルサやドルトムント、バイエルン・ミュンヘンのサッカーを理解するには不十分なのです。
※セカンダリーブレイク=ファストブレイク(カウンター)が成立しなかった時に繰り出す二次攻撃。セットオフェンスへの移行の前に実行することで攻撃の高速化を狙う
攻撃と守備、その間をどう理解するかが問題なのです。じゃあとりあえず矢印を増やしてみようということで引いてみました。
これじゃあなんのこっちゃということで目隠ししてみると
こうやってトランジションを観る時は各ステージをつなぐ矢印に注目するとよいです。コインの表と裏は同時に視認することはできませんでしたが、平面図に書き起こすことで2つのことなるステージを同時に理解することが可能になりました。これこそが攻守の切り替えを同時に考えるということなのではないでしょうか?
前回言及した「セグメント化して理解する」とはそういうことです。
このように図中の一本一本の矢印に注目して意味を考え、実際の試合のシチュエーションに当てはめてみることで、トランジションの理解は深まります。この図では矢印は8本あります。つまり8つのことなる状況があるという意味です。
まとめ
サッカーの切り替えはコインの裏表
↓
ボールを巡る3つの状況
↓
4つのステージ
↓
8本の矢印
↓
?
というように捉え方が複雑になってきています。
次回はこの図を使ってドルトムントのサッカーを分析しなおしてみましょう!
長くなるのでこれで一旦切ります。
次→ドルトムントの練習を分析する
元ハンドボール部のものです。いつも楽しく拝見しています。
返信削除参考になるかは分かりませんが、ハンドボールでもトランジションはかなり重要です。
「ハンドボールの醍醐味は1、空中 2、速攻」といわれるほどです。
高校のとき、試合時間25分間遅攻をせず、トランジションゲームだけで相手を圧倒したチームの試合を見たとき、こんな相手と試合をしたくないとまで感じました。
もしかしたら、ハンドボールも参考になるかもしれません。
ただ、日本ではハンドボールの戦術について詳しく解説されたものがほぼないですけど・・・(笑)
僕は結局バスケットの戦術を参考にしていました。
あと最後に、最近のサッカーはなんだかハンドボールに似ているなーとよく感じます。特に浦和や広島の可変フォーメーションはハンドボールぽいです。
長々と汚い文章で、ただただ僕が思ったことを書いてしまい、ごめんなさい。
ありがとうございます。ハンドボール戦術からサッカーを考察するブログというのがありまして今は更新されているかわかりませんがこちらです。http://aycopenhagen.blog.fc2.com/
削除やはりバスケのほうが戦術が詳しいようですね。理由はアメリカ人がバスケに熱心なことと、英語は翻訳しやすい言語だからだと思います。文献としての情報の獲得しやすさがいいですよね。あとはサッカー関係者よりバスケ人の方が頭が良さそうというのもあります笑。サッカー人は基本バカですからね。
なんにせよ走力が大事なのは変わりません。ハンドボールもよい文献があれば教えて下さい。先鋭的なことではなく基礎的な内容でも十分サッカーの参考になります。
返信ありがとうございます。私もそのブログを知ってます。ただ、私がそのブログを知ったのはハンドボールをやめてからでした笑。
削除「クロップの練習−ドルトムントのトランジショントレーニング」を見てハンドボールならこうだろうなぁと思ったことがありました。
最後から2番目の図で右にボールがあるとき、ハンドボールならディフェンスの1番左の人はあと3歩前に出て正面のオフェンスの人へのパスのインターセプトを狙います。また、カウンターを狙います。
それに加えて、オフェンスのボールホルダーに左サイドが狭いと少しでも思わせるという意味もあります。
ただこれは、サッカーとハンドボールでは1点の重みの違いから来るものかもしれません。