footballhack: イスコのシュートへのトラップ

2013年11月6日

イスコのシュートへのトラップ

Isco


今シーズンからマラガからレアル・マドリーに移籍した、上がり目のイスコ。彼の動画を見ていて気づいたことがあったので記しておこうと思います。



彼のミドルシュートのパターンなんですけど、左から来たパスを右足で受けて右足で打つとき、かる~く右に転がすんですね。これはあのブスケツターンと同じ原理であるいは直近ではメッシのインサイド流しと同じ原理で、ボールの側面を軽く踏むことで回転を利用してボールを転がす技術です。ラームの右サイドでのプレーで縦パスを狙うときにも同じ技術が使われています。


図でやると

イスコのシュートへのトラップ 001

横に流すトラップなので、DFは弧を描くようなアプローチになります。DFはイスコの体の正面に入りたがるので、イスコがトラップを流すと狙いをはずされてしまうのです。

シュートへのイメージがない人の場合、ボールを足元にピタリと止めてしまうので、相手のプレッシャーをモロに受けてしまいます。すると、相手に正面に立たれてシュートブロックへの万全の体制を取られてしまいます。

シューターが受ける視覚的プレッシャーを図にしてみました。下の図の①,②,③がそれぞれその下の1,2、3に対応しています。

イスコのシュートへのトラップ 002

イスコのシュートへのトラップ 003

はじめに遠くにいるDFもパスの移動中に猛烈な勢いで寄せてきます。トラップの直前には②の姿勢でかなり接近していると思います。そのまま素直にピタリと足元に止めてしまうと、次にシュートを打つために足を振り上げた瞬間に、一歩でボールへアタックを許してしまいます。だから、シュートイメージがないFWはDFを目の前にしてシュートを打てないのです。自分のシュートがDFを抜いてゴールに届くというイメージを持てないのです。

一方イスコは、DFが寄せてきてもなんのその、軽く横に流して股下シュートを狙います。ファーストタッチコントロールでDFの狙いを外すことができれば、DFはシュートに間に合わないと焦ってブロックしに来ます。その時に股下や背中の裏が空くのです。丁度、③のように、体を投げ出すDFは隙だらけです。

スペインの至宝ラウールが得意とした、股下を抜くシュートは10年代に入って日本でもポピュラーになりましたが、時代を先どるスターたちはさらにその上を行きます。イスコは流しトラップという先手を打つことでプレーの流れを切らずに股下を抜くシュートへつなげているのです。



イスコのようにボールの側面をこすり落とすコントロールは準備動作が最小限ですみますし、とても意外性があります。このことは上記の記事内でくわしくやってますので参考に。イスコパターンを身に付ければ、ゴール前でスペースがない中でもシュートを決める力を身につけることができるかもしれません。

スローアニメーションはこちら



2 件のコメント:

  1. “イスコのシュートトラップ”に書かれていた“ボールの側面を軽く踏むことで回転を利用してボールを転がす”の“側面を踏む”の利点はありますか??

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    1. 踏まないと回転がかかりませんよね。そもそも論として

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