2013年11月9日
サッカーの試合の分析:可視化と実践
これまで見てきたトランジションに関するエントリをざっとまとめてみると以下のようになります。
ここで結局何をしたかというと、今までの攻守の切り替えの4つのステージという価値観を細分化したということです。攻守の切り替えへの理解は、サッカーの分析の初歩ですから、つまり、サッカーの理解の仕方が根本的に変わってくるということです。細分化したことでサッカーをよりリアルに手に取るように理解することが出来るようになりました。これによってトレーニングもより実際に近づけたり、実践に近似した状況設定を考案することができるようになります。
攻守の切り替えを再定義することで、より強力な思考を手に入れましょう。そしてそれをトレーニングに活かしましょう。実際、僕はドルトムントのトレーニングを見て認識を改めたわけですから、逆のベクトルで物事を動かしていくことも出来るでしょう。
つまり図にすると↓
青字が分析のフェーズ、机上の作業で、オレンジ字が実践・現場のフェーズです。それぞれにinput,outputの行程があり、隣り合った要素同士で相互に比較しながら思考を進めると効率が良いです。
このブログでできることは青字のフェーズのみですが、僕は社会人サッカーをやっているので全ての行程をバランスよく循環できていると自負しています。この4行程をくまなく経験し、相互に影響を与えながら思考を続けることで、サッカー理解は深まっていくのだと思います。
まずいのは、2パターンあって、トレーニングが欠けている場合と、図解・可視化が欠けている場合です。
前者は欧州サッカー観戦者に多いんですけど、もう物理的に練習を見に行けないんですね。というか練習に興味を示さない。だから何がチームにインプットされていて、その結果がどのように試合に反映されているかわからないというパターンです。自分のユーベ分析なんかもそうなっちゃってますけど、どういう練習しているかわからないとやっぱり内容としては薄くなりがちです。ユーベの場合は試合から練習を想像できるからまだいいんですが。
後者は多分、現場の指導者に多いと思うんですけど、なにが試合の分析の土台になっているか明らかにしないタイプの人です。分析の結果はなるべくアウトプットして可視化しておいたほうがいいんですね。なぜならそれによって他者と議論できるし、のちのち時間をおいてから見なおした時に、また違った視点から分析できるからです。ここをサボってしまうのはやはり指導者としては説得力にかけるんではないでしょうか?
ま、とにかく練習を見るのも分析のためには必要だし、なにより楽しいし、理解したことを可視化することも力の見せ所だけど楽しいし、サッカーの楽しみ方っていろいろあるなって話です。いやちがう、分析と実践は双方向に影響しあうというのが結論です。ひとつが刷新されたら他3つも次々に改められるべきです。すると、循環する形で永遠にサッカー理解が深まっていきます。これが理想ですね。
あと記者の人に注文です。練習を見に行ける権利を持った記者さん達は本当に幸運です。是非、練習を咀嚼できる情報を獲得して理論武装して練習場へ向かってください。僕みたいな土星の輪っかのチリみたいな存在にはやっぱり雑誌の情報が必要です。
以前、似たような図を作りましたが
チーム強化計画 (書きかけ)
これと同じですね。ただし、情報はどのフェーズからでも入りますよ、っていうのが今回の話です。
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突然すいません、このブログのトランジションについての記事を僕のブログで取り上げてもよろしいでしょうか?
返信削除Silkyskillさんの記事は、ほんとに勉強になります。それを取り上げたいのです。
いいですよ。
削除リンク載せといてください。僕も読んでみたいんで。
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