footballhack: ボディコンタクト6 並走時に利き足側から敵が来たら

2012年1月6日

ボディコンタクト6 並走時に利き足側から敵が来たら

今回はロッベンのプレーから、ドリブル時に利き足側から敵が並走してきた場合の良いかわし方を紹介します。

敵が近づいてきたらボールと敵の間に自分の体を入れろ、とはよく言われるもので、これは一見正しいように聞こえますが、ある状況下では間違っているというのが今回取り上げる事例です。

普通はドリブルしていて利き足側から敵が近づいてきたら、ボールを逆足に持ち替えて自分の体を使ってスクリーンするか、思い切って方向転換し、旋回しながらスクリーン状態を保とうとします。

しかし、世界のトップドリブラーはこのようなことをしません。逆に言うと、無意識にスクリーンをしてしまう選手は良いドリブラーになれません。では、モダンなドリブルを披露するトッププロたちはどうやってこの局面を乗り切るのでしょう?


彼らは敢えてボールを晒してDFが足を伸ばしてボールにタックルする直前にちょんっとワンタッチして、かわしていきます。

ではそんな事例をひとつ取り上げてみましょう。下はロッベンのプレー集です。問題のプレーは1:26付近から始まります。




コマ送り画像を取り出して見ました。

タッチライン際でドリブルをしているところに、ロッベンの左側(利き足側)から敵が近づいて来ました。
最初のタッチで4歩進みます。

ここではまだ加速していません。DFに横からチャレンジさせるように誘い込んでいます。
次のタッチから2歩1触の加速に入ります。上体がやや前傾しています。
ここから3タッチでDFを置き去りにします。

ロッベンが急に加速したため、DFはロッベンの左斜め後方から寄せる形になります。
まだまだ、ロッベンとDFの間には距離があります。
2タッチ目
DFの右手がロッベンの上腕にかかっています。間合いが十分に近づいた証拠です。

これだけボールホルダーに近づけば、DFはタックルするチャンスを得ることができます。

また、ロッベンはDFに触れられているのがわかるので、次の瞬間にDFがタックルしてくると予測します。
DFはタックル姿勢に入ります。スライディンをしたり、スタンディングでボールにタックルする時、DFは必ず後ろ重心になります。足を遠くに伸ばすということは、重心を後ろに取ってバランスを保つということだからです。ですから、タックルの直前、DFは必ず姿勢が低くなります。この瞬間を見逃さずにドリブルできれば、相手より一瞬早くボールに触れることが出来るのです。
ロッベンの首が左下に僅かに傾いています。目の端でDFの足が伸びてくるのを視認している証拠です。
DFのタックルより一瞬早くボールに触れます。
DFは点でボールを狙いに行っているので、わずかでもボールの位置を動かしてやれば、ドリブラーは簡単に相手のタックルをかわすことができます。
この時のボールタッチを大きくしすぎないことが肝要です。次にカバーリングに待ち構えている第二のDFにボールを奪われない為です。

僅かでもボールに触れボールの位置を変えてあげれば、敵のタックルは失敗します。焦ってボールを大きく弾いてしまうと次のプレーにスムーズに移行できません。
タックル失敗
DFはタックルのため完全にバランスを崩しています。スライディングなら当然置き去りにされますが、スタンディングの場合もまた置き去りにされてしまいます。なぜなら、足を伸ばすという行為は走行速度を低めることと同義だからです。

通常走行時より大きく足を伸ばすと、その足が接地した際ブレーキが働いてしまい、再度加速するのに時間がかかってしまいます。また、タックル中は後ろ重心になるので、これもまた速度を低下させる要因です。
ロッベンは多少バランスを崩しましたけれど、ひょいっとジャンプすることで問題を解決しています。

ここからはテーマとは違う内容ですが、もうすこしお付き合いください。
すぐに第二のDFにカバーリングに来られても慌てず体勢を立て直し、突破を図ります。
ここから2ステップの動きを見ることができます。
最初のタッチで相手の正面へ持ち出し、
完全に正対状態を作ります。
軽いボディフェイクから
利き足側へ持ち出します。

このプレーはある程度速度が高い中行われていたため、17番の選手は写真左側へと移動ベクトルが向いていまいた。そこで逆を取られたため、体勢を崩す事になってしまいました。

2ステップを用いたロッベンは弧を描くように緩やかな方向転換をした反面、17番は急角度での方向転換を強いられたのでこのような結果になりました。
またもやジャンプで交わし一件落着
安定した姿勢へ回復しています。













現代においてドリブラーと呼ばれる選手は皆、このテクニックを習得しています。メッシを始め、ディマリア、ロッベン、 などなど。あまり詳しくないんで他に名前が挙がりませんが。

彼らは足が速いだけではなく、DFとスピード差をつけるのが上手いのです。ボールを晒してアタックさせておいて先に触ることで、DFの体勢が崩れます。体勢を崩したら走行速度が落ちます。そして一瞬で置き去りにしてしまうのです。

高速移動中の一歩の誤りは、大惨事を招くことがよく分かりますね。

このように説明してしまうと味気ないですが、これを可能にするのは信じられないほど高い技術力と視力とコーディネーション力であることをお忘れなく。

わかりづらい説明だったかと思いますので、今度こういったドリブルをまとめて動画集を作りたいと思います。

1 件のコメント:

  1. やはりメッシみたいなドリブルをするにはある程度スピードは必要ですよね?。

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