90年代中ごろからワンタッチコントロールという言葉が指導者の間ではやりだしました。ボールを受け、トラップをする際、できるだけ前を向いて次にボールを蹴りやすいところにワンタッチで止めるという技術です。協会が総力をかけて築き上げた育成システム、その中でキーポイントとして挙げた技術がこのワンタッチコントロールです。今でも、トラップの際、少しでもボールが浮かび上がれば指導陣はその選手に対して激をとばす光景を目にします。
しかし本当にワンタッチでボールをぴったり止めなければいけないのでしょうか?
サッカー先進国の選手に目を向けたときに、多くの選手が強いパスを受けたときに10cm~50cmほどボールを浮かしているのを目にします。それでも落ち着いてツータッチ目で相手の来ないところにボールを運んで次のプレーにつなげています。
逆に、日本の選手は、プロのレベルでもワンタッチ目がうまくいかずに、慌てたり相手に体を寄せられたりするシーンがあります。日本の選手は特に育成年代から強く指導されていることが影響して、ワンタッチでボールをうまく止めなければならないという強迫観念があるように見えます。なのでワンタッチでパーフェクトなところに止められないと次のプレーがスムーズにできず、少しでもコントロールが狂うと、寄せられた相手にファールをしたり、ボールを奪われる結果になります。
ファーストタッチでボールを動かそうという意識が強い選手ほどボールを体から離してしまう傾向が強く、相手に寄せられたときに慌ててしまうことが多いです。一方、ツータッチコントロールが身についている選手ほど相手に寄せられても落ち着いて対応できています。
このちがいはどこにあるのかというと、「ツータッチ目の意識」にあります。
次は→ワンタッチコントロールの迷信2
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