footballhack: ドリブル方法論2 後足を踏ませる

2010年9月2日

ドリブル方法論2 後足を踏ませる

今回は突破のドリブルの中で相手DFにバックステップを踏ませるまでを考えていきます。

段階分けした説明だと以下の

1 パスを受けてスムーズに仕掛けの体勢に入る

2 敵の正面に向かって突き進む

3 ぎりぎりの間合いまで近づく

の三つまでを考えます。

まず1ですが、この時大事なのは、素早く仕掛ける体勢を作り相手DFにポジションを修正する時間を与えないことと、後ろから追ってくるDFに追いつかれないことです。

十分なスペースがあれば、ファーストタッチを大きめにとり、スピードに乗るという方法があります。しかしここでは、2タッチコントロールの有効性を説きたいと思います。ボールを足元にストップしてから間髪入れずに敵の正面にボールを動かしていくという技術です。この方法なら狭いスペースでも確実に仕掛けの体勢に入れます。

また、ファーストタッチでボールが浮いてしまった場合も、素早い2タッチ目の意識を持っておけば、後ろから来るDFに追いつかれずに、正面のDFとの1対1に持ち込むことができます。

では次は2の「敵の正面に向かって突き進む」です。この時は、自分の全速力の5割から8割くらいのスピードで、2歩1触のドリブルを使って突き進むのが望ましいです。なぜなら、相手DFを催眠術にかけるようなボールタッチで一定のリズムに引きこむことができますし、利き足でプレーすることでワンツーやシュートなどに結びつけやすくなるからです。

この図のように↓(攻撃側が左サイド寄りでボールを受けて、ゴールに向かいながら1対1をするシーンを想定します)


このときDFは下の写真のような体勢をとるはずです。

DFがサイドステップもしくはバックステップで後退している場合、DFは攻撃側から見て、左側つまりAの方向にドリブルさせたがっています。このとき、攻撃側は安易にAの方向にドリブルの進路を取ることは、相手の思うつぼになるので避けます。BかCの方向に進んでいきます。

また、DFはCの方向に進むドリブルに対して、左足を伸ばしてボールを奪おうとするので、攻撃側はC側に突破を図る際は、DFの足の届かないところにボールを置く(ダブルタッチを使う)か、タイミングをずらします。

基本的にはBの方向に進んでいくことになります。なぜなら、その後左右両側に切り返すことができるからです。相手を後退させるうちに相手のポジションミスを誘い、その逆側をついて突破することが可能になります。

A方向(縦)に進路を取りたいときは、始めに少しC側に進路を取ってタイミングを計ってA側に加速します。逆の場合も然りです。ただ、A→CよりC→Aのほうが成功しやすい気がします。

DFはこの状態から急激に後方にダッシュをすることが難しいので、攻撃側は勢いを持って(全速力の7割~8割くらいで)DFに接近することで、間合いが離れた位置(1,5~2m)で左右に切り返して、DFを置き去りにすることもできます。よーいドンのスタート時の助走の差を利用する突破法です。

それをさせないためにDFは↓の体勢をとります

(クロスステップもしくは首だけボールホルダーを向いた後方への走り方を使って後方へのスペースをカバーしようとしている。)

こうなったら、ボールホルダーの勝ちです。なぜならこの体勢からはDFはA方向しかカバーできないからです。ドリブルの進路をC方向に取ることで、DFの視野を切ることが可能になります。(イニエスタが得意なドリブルの接近法で、DFを何度も後ろ向きに振り返らせてしまう)

DF自身もC方向に無防備になることを知っているので、間合いの角度をC方向にずらそうとします。(ボールホルダーにA方向への進ませるように誘う)この時にもポジションミスが生まれるので、A方向に突破するチャンスが生まれます。

このように2歩1触のドリブルで相手DFを追い詰めていけば、相手DFは身体的にも精神的にも余裕を失っていきます。こういうときに簡単なボディフェイクが成功しやすい環境が整うのです。

DFにはより早い速度で後退させるように仕向けます。ゆっくりとした後退をさせ間合いが近いという状態は、必ずしもボールホルダーにとって有利な状況ではないからです。そのためにはボールコントロールを失わない程度でなおかつ最大の速度の2歩1触のドリブルで相手に接近することが大事になってきます。

2歩1触のドリブルで接近していくと、ボールホルダーとDFの間に緊張感が生まれます。この時にどのような感覚でどのように体を動かすかということが、1対1に打ち勝つための最大のポイントになるのです。

ここで紹介したドリブルの接近法は2歩1触のドリブルができれば、簡単に実践が可能です。次の段階、「スピードと方向の変化とその際のボールタッチの強さ」を調整し完璧に実践するには、身体的にギリギリの状態(プレッシャーのかかった状態)での反復練習と経験が重要になります。

次は→ドリブル方法論3 突破のドリブルに必要な変化

0 件のコメント:

コメントを投稿