footballhack: 明日から使える正対技 静止ver

2011年2月22日

明日から使える正対技 静止ver

正対とはサッカーを考える上で最も重要な原理であると僕は考えています。攻撃面はもちろんのこと守備を構築する上でも出発点となるテーマです。

正対という概念を提唱されたのは蹴球計画というHPを運営しておられますstudio c60さんです。誤解を招かないように言っておきますと、僕はstudio c60さんとは面識がありません。僕は一介の蹴球計画ファンとして、蹴球計画さんのサッカー観に共感しまして、彼の掲げるテーマを自分なりに掘り下げたいという気概で日々サッカーを考えています。

今回のテーマは正対技ということで、いくつか羅列して挙げていきたいと思います。

ここではボールを利き足の前(約15cmほど)に置いて静止した状態で直近のDFと正対しているシーンを考えます。蹴り足は利き足、軸足は逆足を指します。

正対技一覧

  • ボールを押し出す
  • 軸足をボールの横に踏み込む
  • 蹴り足を後ろに引く(蹴り足と逆側の腕を振り上げると尚良い)
  • 蹴り足を後ろに引いた状態で軽くジャンプする
  • 後ろに引いた蹴り足をボールの上に乗せる
  • 後ろに引いた蹴り足を振り下ろして地面に置く(キックキャンセル)
  • 蹴り足でボールをまたぐ(シザーズ)
  • 両足を揃えて浮く
  • 軸足を横に開くように踏み出す



まだまだ色々ありそうですが、今思いついたのは上記の9つです。それぞれをキックフェイント、ドリブルフェイント、そのどちらでもない、の3つのグループに分けることができます。個々の具体的な技の使用例は今後紹介していく予定です。

これらの技を繰り出すときには必ず正対したDFの正面に向かって行うように心がけましょう。そうすることで、DFを“ピン止め”しDFと自分の間に十分な距離を保つことができます。間を作るというやつです。

間を作ることは時間を作ることと同義です。間をつくりプレッシャーを回避している間に周りを見わたすことで、判断に余裕を持たせることが可能になります。つまり、上記の技を繰り出している間に、正対したDFの奥を見ることが可能になるのです。

ボールを持ったときにボール際の攻防(半径1~3m)に囚われずに、30mほど離れた所に目が届けば余裕を持って判断を下すことができます。

パスの上手い選手はこのように正対と視野の確保を同時に行っています。プロの試合を観戦する際にも今回の正対技に気をつけて見てみると、新しい発見があると思います。

また、実際に試合や練習で試す際、自分の得意な形というのが出てくると思います。もうすでに自分の癖として体得しておられる方もいらっしゃるでしょう。そういった方々もこの記事を読んで正対の原理について整理していただけたら幸いです。また、新しい技に挑戦する機会を提供することができたならば僕としてはうれしい限りです。

次→スキップドリブルドリル

8 件のコメント:

  1. 最近、たまたま見つけさせて頂き、大変、興味深く読ませて頂いております。小生は現在、U12のボランティアコーチをしており、子供向けの練習メニュー等の考案にも利用させて頂いています。これからも面白い視点で是非、いろんな記事をお願いします。また、もしも機会がありましたら、U12向けの記事なども特集してもらえましたらと思います。

    私はパワーサッカー的なとくかく勝て的な指導よりも、日本人の体格等を生かした指導に関心があり、特に比較的、小柄でも確約している選手やしっかりとビルドアップ意識のあるチームが大好きでそういったサッカーを子供達に伝えてあげたいと思っています。

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  2. 返答が遅れてしまい申し訳ありません。ここの記事がサッカーを考える上で刺激になっているのであればこれより嬉しいことはありません。

    テクニックを重視した指導方針は素晴らしいと思います。人間に本来備わっている競争心や負けん気を無視することは難しく、勝利至上主義的な風潮に流されてしまいがちです。

    大事なことは多様性を保つことだと最近感じます。勝利至上主義の対極にあるのがテクニック重視主義である。だからといって、競争心やハングリー精神を持つことを是としない空気を作ってしまうのは、人間らしさを削いでしまうことになる気がするのです。

    つなぐにもリスクがつきまとうことと、時にはパワーサッカーも有効なことを押さえておけば、良いチームになると思います。応援していますのでこれからもよろしくお願いします。

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  3. はじめまして。このブログは非常に優れていると僕は思います。上の記事の通り、「正対」というのがサッカーにおいて重要だということは共感できます。 
    少し話しは変わりますが、正対しながらも周りをしっかり見ないといけません。そんな中、パスには優先順位があると思います。僕が思う優先順位は、

    1,ゴールへ直結するパス(スルーパス・ラストパス等)

    2,フリーで最もゴールに近い選手 

    3,くさびのパス

    4,横パス

    5,バックパス

    だと僕は思うのですが、間違っていれば教えて下さい。

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  4. はじめまして。このブログは非常に優れていると僕は思います。上の記事の通り、「正対」というのがサッカーにおいて重要だということは共感できます。 
    少し話しは変わりますが、正対しながらも周りをしっかり見ないといけません。そんな中、パスには優先順位があると思います。僕が思う優先順位は、

    1,ゴールへ直結するパス(スルーパス・ラストパス等)

    2,フリーで最もゴールに近い選手 

    3,くさびのパス

    4,横パス

    5,バックパス

    だと僕は思うのですが、間違っていれば教えて下さい。

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  5. @パスさん 正対は相手を見、周囲を視るために行われます。つまり正対=見るということなのです。正対しながら視ることを習慣化させてください。

    多くの人はパスさんの述べるようなパスの優先順位を信じていると思います。極論覚悟で言うと、その優先順位は間違っています。間違っている指針を信条としているため、日本には間違った選手が数多くいます。憂うべきことです。

    パスさんの言う優先順位はあくまで理想論であって、現実に即していません。つまり、リスクリターン、weather around the ball, 攻守の切り替えといった視点が欠けているのです。

    実際はボールロストのリスクと成功した場合のリターンを計って判断を下します。一か八かが許されるエリアなのか、安全を優先すべきエリアなのかということです。それによってバックパスが優先されるべき場面もあるし、ゴールに直結するパス以外は全て不正解の場合もあります。この判断力は練習でしか養えません。

    要はボールホルダーの状況次第なのです。フリーで前向きならスルーパスを狙えますが、敵に寄せられていたら安全なパスを選択することが優先されます。長期的にボールを失わないためにはどうすべきか、あるいは攻守の切り替えを考えた時に、ピンチを招きにくいパスはどんなパスなのか考える必要があるのです。

    一言では言い表せない難しい問題です。それこそ一つ一つのシーンを取り出してケースバイケースで説明しなければなりません。コメントのみでは間に合わないのでこのへんで終わりにします。

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  6. ご丁寧にどうもありがとうございました。間違ったことを書いてしまって申し訳ございません。

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  7. silky skillsさんは、上の記事の「正対」や、「正しいインサイドキック」の存在は、蹴球計画さんのブログを見てから知ったのですか?

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