footballhack: 1対1の守備(1) 間合い

2010年8月19日

1対1の守備(1) 間合い

守備の基本は立つことです。守備は相手の前に立つことから始まります。つまり敵とゴールを結んだ線上で、できるだけ敵に近い位置にポジションをとることで、ボールを奪取したり、パスコースを消したりすることができます。

しかし、ただ敵の正面に立つだけではうまく守備ができません。対応する相手によって間合い(相手との距離や角度)を変えます。

間合いを調整することで、敵が得意なプレーをしてきた時に備えてそのプレーを潰すポジショニングがとれます。さらに敵の不得意なプレーを促します。そうすることで、敵の攻撃が成功する確率を低めるのです。

間合いの変え方は敵の特徴を見て決めます。

敵は足が速いのか、利き足はどちらか、当たりが強いか、テクニックがあるのか、どんな癖があるのか、チームプレーを得意としているか、勝気な性格か、チーム内で信用されているのか、こういうことを考えていくことで少しずつ敵の得意なプレーが読めてきます。

最も真剣に見極めなければならない特徴は、スピードと利き足です。なぜなら、スピードに自信のある選手ほど、ドリブルでしかけてくる傾向が強く、また、キックに自信がある選手ほどシュートやクロスを利き足で行おうとするからです。そして、彼らの特徴を活かされてしまうとチームとしてピンチを招く可能性が高いのです。

具体的に言うと、右利きの選手には左足でキックさせる方向に追い込んでいき、足の速い選手に対しては縦に大きくリードを取って内側にドリブルさせるように仕向けます。

図を使うと下のようになります。


左側はサイドでの攻防、右側はピッチ中央での攻防とします。

基本的には1の位置です。右側が中央線からずれているのは、半身になる必要があるからで、この場合左足が前になっています。

2は敵の選手の足が速い場合です。このように、敵から距離をとり且つ敵の利き足側(縦側)にずれてポジションが取れれば、敵が縦にスピード勝負を挑んできた場合こちらのほうが有利な位置からスタートができます。

スピードに優れた選手は縦への突破を好む傾向があります。さらにボールを体から離してランウィズザボールという形で勝負してくることが多いので、縦に仕掛けるボールタッチの直前に後方へ走り出せば、相手とボールの間に自分の体を入れて奪うことができます。これはとても有効なサイドアタッカー対策です。

3は敵の選手の足が遅い場合です。足の遅い選手はテクニシャンである可能性があります。テクニックに優れた選手は内側に切れ込むプレーを好むので、図の左側の場合3の位置をとり縦にドリブルさせるように促します。そして、タッチラインへ追い込んでいき、体を寄せるかバックパスをさせます。

テクニシャン系の選手とピッチ中央付近で対峙したときは利き足とは逆方向へ追い込んでいきます。図の右側で敵が右利きだった場合は、3のポジションをとって、距離を詰め決して飛び込まず慎重に対応します。

こういった対処法は、じゃんけんをするときに事前に自分が何を出すか宣誓することに似ています。自分がグーを出すと言って相手が素直に信じる性格と知っていればチョキをだすし、深読みする性格ならばパーを出せば勝てますよね。

なにが言いたいかと言うと、守備側が間合いを変えることは攻撃側に判断を促すことになります。その思考の流れを先にたどって敵の行動を予測することができれば、身体能力の差を埋めて敵の突破を防ぐことができます。

このように対応する相手に合わせて間合いを調整することで、勝つ可能性を高めることができます。余裕を持って1対1に臨むために、アプローチの瞬間に理想の間合いをとれるか、ということもサッカーの醍醐味のひとつだと思います。

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